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2007年3月16日 (金)

『黒蜥蜴』の原本

 この本は、明智小五郎と女賊黒蜥蜴が対決する、江戸川乱歩の傑作のひとつ。そのような作品であるにも係わらず、どうしても内容が思い出せないまま、先週大阪で花組公演を観劇してきました。東京のチケットも何枚か持っているので、今回はあえて白紙のまま観劇したいと思い、原作を読んだり、出演者の対談番組も見ずに遠征したのです。

 それにしても、何故全く記憶になかったのでしょう…。たぶん江戸川乱歩のシリーズは、読破するのが精一杯で、とにかく怖かったのですね。私は小学生の頃、小学校の近くに必ず併設されている文化センターの図書館に入り浸り、推理小説とSFばかり借りていた子供でした。特にアルセーヌ・ルパンのシリーズは粗筋を空で言えなくなることはないくらい。それなのに、隣にならんでいたこの江戸川乱歩のシリーズは、全巻読破することには意味を感じていたけれど、1人でトイレに行けなくならないように、読んだら即、記憶から内容を消し去っていったように思います。

 そんな私は観劇後、ほぼ30年ぶりに帰りの新幹線の中でこの原書を読みました。読んでみてわかったのですが、今回の宝塚の黒蜥蜴は、かなり忠実に原書を再現しているのですね。緑川夫人の設定がかなり若く、最後にどでん返しの設定も入っていますけれど、中盤まではほとんどそのままと言えるでしょう。

 でも、私は観劇中ずっと、黒蜥蜴は記憶から消し去るほどに不気味だった話ではなかったのか?という疑問を持ち続けていました。宝塚で上演されている筋なら、そこまで怖いとは思わなかったはず。何か違ったのだろう?と思い続けたその疑問も、この原書を読んで判明。”人の剥製”のくだりが変更されていたのですね。だから、おもしろいとは思った作品だったはずなのに、記憶にないのだわ(笑)。よくよく考えたら、今の息子と同じ年齢だったんですものね…。確かにその年齢なら、恐怖を感じても不思議はなかったかな?と思いました。

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