グイン120巻『旅立つマリニア』
このタイトルを最初に聞いた時、え?あの耳の不自由なおちびちゃんが旅?って勘違いしてしまったんですけれど(笑)、これはパロからの旅立ちですね。これで、マリニアの花に例えられた女性の旅立ちであると分かることでしょう…。
タイトル通り、旅立ちまでの別れを惜しむ情景が、細かに記述されている巻となります。やはり、王族・貴族がメインな登場人物である中、この女性は読み手にとって数少ない、身近に思える存在ですね。まぁ、私自身はかなり”おてんば”な性格なので、このような自己卑下は理解しがたいところもありますけれど…。
それでも、ヴァレリウスのように、人の気持ちの裏を読むような能力を持ち合わせていなくて、どちらかというと額面通り信じてしまう単純な性格。そんなこともあって、旅立ちの前にかわす言葉ひとつひとつに、思わず一緒にうるうるしてしまいました…。一番泣けたのは、「あなたが15歳になったら、お母さんがお話しますからね」というくだり…だったでしょうか。
立場の異なる人が、別れの前にそれぞれの想いを表し、僅かながらの希望を見出している。そんな巻だったと想います。
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