木蓮荘綺譚
木蓮荘綺譚…と聞いて、きたんって何だろう?と思って調べてみました。『奇譚』だと、珍しい不思議な話と出ていましたが、綺の場合は美しいという意味合いが含まれるのでしょうか…。私はどうも、『奇談(きだん)』と混同していたようで、もっと”変わった話”という意味を想像していました。日本語は難しいです…って、難しいと思うのは、私だけ?(笑)
それはともかくとして、このミステリーは、名探偵の伊集院大介が、昭和30年代の時をそのまま止めたような家に迷い込んだところから話が始まります。そこは、自分が物心ついた頃に見たことのあるような、そんな風景。私のうちにも、柿・いちじく・木蓮がありましたからね(笑) さすがにびわはありませんでしたけど(笑)
殺人事件を解決するという意味ではミステリーに分類されるのでしょうが、トリックを見出すような、そんな古典的なミステリーの枠を超えて、人間を観察する伊集院さんにふさわしく、複雑な人間の心理を解き明かすお話のように思いました。自分が歳を重ねたのだろうと思いますが、若い頃に読んでいたら、へ~そう?くらいで終わってしまっていたかもしれない部分に共感したことも多かったように思います。
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