東京宝塚劇場で、星組公演スカーレット・ピンパーネルを観てきました。夏休み中、宝塚大劇場へ遠征した時に記事にしていますので、詳しくはこちらをご覧下さいね↓
宝塚大劇場観劇記事(7/27)
今読んでも、よくこんな文体でまとめたなぁ~と自画自賛!そうそう。そう思ったのよ、って、自分で読んでて思いました(笑)。今日は筋を追いながら、特に感じた部分をピックアップしてみます。
第1幕 第1場:ひとかけらの勇気
安蘭けいさんの「ひとかけらの勇気」を聴いていると、この場に来て良かった…という思いが溢れてきます。私にとって音楽は、それを奏でる人や歌う人の技量だけでなく、その背景だったり、その時の自分の感情などが一緒になった時に、素晴らしいものに聴こえてくるのですが、この歌もそんな思い出に残る曲の一つとなりそうです。特に、「登れない山 渡れない河…」のあたりからのフレーズが大好き!とうこ(安蘭)さんの声にインスピレーションを受けた新曲なのだそうですが、この曲を中心に物語が展開するので、ブロードウェイ版にないのが信じられません…。早く、TCAミュージックにアップされないかな…。
第1幕 第3場:マダム・ギロチン
柚希礼音さんも、ダンスの人というイメージでしたが、こんなに感情のこもった歌が歌えるなんて…と、その成長ぶりは目を見張るばかりです。男役にふさわしい容姿を備え、しかも踊りのセンスは抜群なので、これからの宝塚をひっぱるトップスターになるのでしょうね。今まで、宝塚で黒い役のうまい人、といえばダントツで安蘭さんだったと思うのですが、今回の柚希さんはすごいなぁと思います。
第1幕 第6場:デイドリーム号甲板
今回のスカーレット・ピンパーネルの構成の中で、この第6場の展開がすばらしいと思っています。イギリスで、さぁパリへ行くぞ!と決めてから、この一曲の間に船に乗り、着替え、曲の終りにはパリの民衆の中にいる。なかなか見事な展開ですよね。
第1幕 第7場:パリ街頭
宝塚と言えばベルばら。と思っていらっしゃる方も、世の中には多いと思います。私も、知らない頃はそうでしたから…。ベルばらは、”貴族であるオスカルが貴族であることを捨て、最後は革命に参加してバスティーユを陥落させる”までを描いています。平たく言えば、革命万歳の、ロココ調でキラキラお目々の物語。ところがこのスカーレット・ピンパーネルでは、その成功者であるはずの民衆が、貴族を処刑するのを楽しみにしているという、暗黒の側面を描いています。それだけ長年の貧困の恨みが深かった、ということなんでしょうが、今の倫理からは想像できないことでもありますよね。
そんな革命の裏側である”恐怖政治”を土台としたこの舞台。宝塚がそのような面を取り上げたことも一つのステップアップに思うのですが、貴族を救うパーシー側、公安委員のショーヴラン側のそれぞれが、自分の信念を貫いている姿として描かれているし、そこに、ロマンスも、シャルル殿下の思いも、うまく組み合わさっていると思っています。まぁ、それを演じる人が、実力ある人たちだからこそ、の舞台なのかもしれませんが…。
第1幕 第14場:王宮の広間
話は軽くなって(笑)。この時に着ている、”軽薄さを出すための派手な衣装”。豹柄?トラ柄?チーター柄?(笑) 丸い柄は豹かチーターかと思うのですけれど、とうこさんの銀と黒の縞々は、トラですよね………?
第2幕 第6場:パリのアトリエ
救い出された王太子シャルルが、マルグリッドに「おかあさま(マリー・アントワネット)も、最後までお父様を愛していた。パーシーを信じてあげて!」と言うシーン。このあたりから涙腺が…。第2幕は物語に引き込まれて、メモが全然ありません(笑)
第2幕 第8場:コメディー・フランセーズ
今まで夫に秘密を話せなかったマルグリッドが、その全ての想いを込めて、パーシーへの愛を「ひとかけらの勇気」に託して歌うシーンです。宝塚娘役トップさんは、何かと非難の対象になることが多いと思うのですけれど、ここで歌う遠野あすかさんを見ていると、本当に今までよくがんばったね…と思うんですよね…。実力を持ちつつ2番手時代が長く、専科も経験したあすかちゃん。宝塚らしい、儚げで楚々とした娘役、という雰囲気ではないけれど、今実力トップコンビ、として認められているのが素直にうれしい。
第2幕 第11場:ミクロンの桟橋
誤解が解け、ショーヴランとの対決にも勝ち、イギリスへ戻る船の上でパーシーとマルグリッドは、真の結婚式を挙げる。素直に、良かったね…という思いでいっぱいになる瞬間ですね!
ショー
ワインレッドの男役の群舞。これは、花組エリザベートを観たときの衝撃を思い出します(笑)。この作品は、春野さんの歌にやられた作品でしたが(笑)、この最後の短いショーで踊るオールバックの瀬奈じゅんさんが印象的で、大好きなんです。今回はその位置に柚希さんがいて、キレのあるダンスで見事に場をまとめていますね。すばらしい!
一般の人に見てもらいたい作品だ、と言いましたが、「宝塚に行ったらラインダンスと羽を見てみたい」という方も多いと思うので、この作品はうってつけですね(笑) そんなことを思いながら、見ごたえある作品をありがとう~と思って、最後はいっぱい拍手をおくってきました。
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