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2009年9月13日 (日)

The Musical AIDA

 先日、The Musical AIDAを観劇してきました。これは、2003年に宝塚のオリジナル作品として上演され、その年の芸術祭演劇部門で優秀賞を受賞した『王家に捧ぐ歌』のリメイク版です。観劇しながら、「エリザベートは、宝塚で上演した後に帝劇版に作り直した時、かなりオリジナルのウィーン版に戻ったよなぁ…。」ということを思い出し、これもオペラのアイーダに近づいたのだろうか?と思いながら観劇していました。

 でもパンフレットを読んでいくと、王家に捧ぐ歌は、オペラアイーダの筋は参考にしているものの、脚本も音楽も全てオリジナルで作り上げたものなんですね。 今回も、初演の宝塚版を踏まえたうえで、世界の変化(執筆中に、9/11の同時多発テロを発端としたイラク戦争が開始されたが、今はオバマに代わってる。)を踏まえ、時代の流れに沿う形に見直しただけのようです。

 これらは全て見終わってから知ったこと。観劇しながら一番感じたことは、『宝塚の男役が、退団後演じやすいミュージカルを、宝塚のスタッフによって作った。』ということでは全くない!ということです。舞台構成にしろ、演じている人たちのレベルにしろ、本当に大満足な観劇でした。脚本も、木村先生にありがちな政治的な側面ばかりが強調されるのではなく、アイーダにしろ、アムネリスにしろ、王女としての立場と1人の女性としての感情の間で揺れ動く、ごくごく自然な人間味溢れた身近な存在として描かれていると思いました。

 音楽も、基本メロディーは変わってはいないものの全面改訂されていて、より洗練された楽曲に仕上がっているように思いました。観る者にとってはもちろんですが、たぶん演じている人たちにとっても、感情がのりやすかったのではないか…と思ったほどです。少人数でありながら、迫力ある素晴らしいコーラスとオーケストラでした。

 次はキャストについて。ラダメスは伊礼彼方さんという方で、どこで名前を見たのだろう…と思ったら、去年のエリザベートでルドルフを演じていたのだそうです。ハーフっぽい彫りの深い顔立ちでかっこいいわぁ、上半身むきだしのお衣装だったのでマッチョくんねぇ、って思ってたら、お母さんはチリ人なんですね。若さと正義感溢れるラダメスにぴったりの、今後に期待できる俳優さんです!

 アムネリスはANZAさん。宝塚だと、どうしても主役は男役、娘役は補佐、という構図を崩せないことが多いのですが、今回の観劇では、このアムネリスがとても光っていたと思います。今まで欲しいものは全て手に入れてきた王女が初めて、自分の権力では手に入れられないものがあると知る。ファラオの娘として勇者と結婚しなければならない状況下で、ラダメスの心を見抜き、アイーダに自分にはないものを見出し、次第に感情をコントロールできなくなってしまう。それでも、アイーダをいじめる女官を制すところも、エジプトの行く末を案じるところも、最後にラダメスを処刑せざるを得なくなるところも、全て、1人の女としての感情とファラオの娘としての立場の葛藤が滲み出ているような気がしました。本当に良かったです。

 そして、アイーダの安蘭さん。比べてはいけないでしょうが、今まで男役トップの方が退団されても、こんな短期間に、ここまで自然に女優を演じることができたでしょうか…。今活躍されている宝塚出身の方たちも、それなりに準備期間があったように思うのですけれど、本当に自然にアイーダとして生きていました。普段の地声よりは高い声色かしら?とは思いましたけれど(笑) 歌も存在感も抜群!最後のスタンディングオベーションで、明るくなっても、音楽が終了しても、皆帰ろうとしていなかったことからも明らかかと思います。

 そうそう。伊礼彼方さんのHPで見つけました。9月21日(月祝)6:00~6:45 朝日放送系列で、 The Musical 「AIDA」のすべてが放送されます。忘れないように、録画予約しよう~っと(笑)  これで、4週連続の観劇も終了し、次のチケットは来年です。 その前に、月組の退団公演は観たいな。

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