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2009年11月21日 (土)

『転移』

 本日、アマゾンからこのような本が届きました。

teni.jpg

 子供の三者面談が入っていたのに、読み始めたら止まらなくなってしまって…。だんなさまの日記を拝見していたので、この本の最後の言葉が何であるのかは知っていましたけれど、でも…(泣)。

 人の最期とはこういうものなのか…と、生々しく、そして重く、感じられる本です。栗本薫さんでもなく、ガン病棟のピーターラビットで垣間見れるような中島梓さんとしての顔でもなく、最後のページではもう普段の日記に近くなっていくのですが、もうろうとして読み返すこともできない状態で書いているのだ、と分かるような記述もあります。それでも、本として世に出せるものを書き続けていらしたのですから…。本当に”書き続けるために生をうけた方”なのでしょうね。

 時間がなかったので、途中は読み飛ばして”最期”のところを先に読んだのですが…言葉にならなかった。忘れかけていた感情が甦ってきて涙が出たけれど、でもそれを受け入れられるだけの時間が経ったのだな、とも思いました。

 そしてその日記の中には、自分もその場にいたライブの話なども出てくるので、あの時はこのような状態だったのか、そんな中での会話だったのか…と、その辛かったであろう体調を想像して、そこまで想像しきれなかった自分が情けないくらいでした。でも、それでもその時に、私の差し上げたとんぼ玉を使ってくださったのを知ることができたので、お近くで見守れたような気もして、うれしかったですね。

 最後の最後まで、このように書き続けてくださって…。ありがとうございました。

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栗本薫・中島梓」カテゴリの記事

コメント

はじめまして、コトヨと申します。昨年から時々、拝見させて頂いておりました。中島梓=栗本薫さんの読者です。

「転移」私も拝見致しました。ネット上でも色々な方が読後感をあげておられますが、医師の方の感想があり、やはり専門家だけはある、と思わされたので、参考にと存じました。

http://d.hatena.ne.jp/jmiyaza/20091206/1260031928

もし、こちらで上手くつながらない場合、
①「日々平安録」で検索
②2009年12月6日の記事
となります。

少々、シビアな見方をされていますが、専門家とはこう見ることができるのか、とは存じました。
また、折に触れてご挨拶させて頂ければと存じます。
それでは…。

>コトヨさま

こちらでは初めまして!情報をありがとうございます。

リンク先を読んで、本当に参考になりました…。医者の目から見たら予後は明白で、膵臓ガンとしては通常の経過を辿ったのだと分かり、そうだったのか…とある意味納得することができ、貴重な情報だったと思います。

神楽坂倶楽部を通して、リアルタイムに報告を聞いていましたから、転移が見つかった時も、数ヶ月後に大きくなったことも、もちろん存じ上げていました。でも、私の身近にはガン患者がいなかったことで、死なんてあり得ない、信じないという気持ちがどうしてもありましたし、中島さんの目を通した報告は、その「希望の処方」の報告であり、読者に同じ気持ちを与えていたのだと思います。

また、医者の目を通して、”患者が診断をどう受け止めているかの貴重な報告”、”常識的な処方の仕方が患者を苦しめていることを、一般の医者は理解していない”など、なるほど…と思う記述も多くありました。私は医療従事者ではありませんが、この転移には、私の仕事が直接関わっている箇所が多く、気を引き締められるような気持ちになったことも思い出しました。

いろいろな面で貴重な文章をご紹介いただきまして、ありがとうございました。

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