本日は、雪組トップお披露目公演の『ロミオとジュリエット』を観てまいりました。
実は…今日の観劇はあまり気乗りがしなかったんです…。それは、最近の抜擢や休演などに絡んで、昔の騒動を蒸し返すような、誹謗中傷がネット上で流れることが多かったのが原因です。
その昔の問題が、「一人の少女をいじめで退学処分に追い込み、夢を取り上げた」ことにあるなら、公然と行われているファンからの中傷は、彼女らが行った行為と同じことをしている気がしてね…。私の考えは、当事者間のことは司法に任せるべきことであり、裁判所の判断に従わなかったのは音楽学校で、火に油を注ぐ抜擢人事を行ったのは劇団、と思っているんです。私もわだかまりはありましたが、特定個人について、好き嫌いを超えるお話は、たとえ個人の感想といえども、するべきではないんじゃないかな…と。
そんなことを思っていたので、一回目の観劇と同様、なんとな~く、足取りも重くなってしまってました。(一回目は、研1生での抜擢って、どんな人なんだろう?星との違いは?と、そんな興味半分の観劇になってしまったんです…。)
でも、公演が始まったらそんな杞憂を払拭するような舞台で、一人ひとりの個性がきちんと光っている、そんな舞台に仕上がっていたと思いました。朝日新聞の記事はこちら。
愛と死
幕開きから天国で大理石に貼りつくまで(笑)、一貫して愛と死のダンスが素敵です。星組の2人が最高だったので、男役のせしるさんが愛と聞いたとき、どんな風になるのか想像つきませんでしたが、本当に美しい動きですね。2回とも2階席だったので、表情までは分からないのですが、その身体表現だけできちんと伝わっていたのには、感嘆しました。
母と乳母
母2人の憎しみの歌。迫力満点ですし、実力のある方なので、聞いていて安心です。晴華さんはそのあとも見どころ満載でしたね!あと、沙央さんの乳母が、なかなかのはまり役だと思います。星では細~い娘役2番手だったので、え?と思ったのですが、やっぱり今回も、乳母の歌で泣いてしまいました(笑)。 娘を一人暮らしのために送り出したばかりの私としては、この乳母の存在が一番、しっくりくるのかもしれません。一言一言に、うんうんとうなずいてしまいました。乳母の歌のあとが、結婚式のAimerなので、ここは一幕の見どころです。
男役の配置
今回の男役の番手は、マーキューシオ(早霧さん)、ベンヴォーリオ(未涼さん)、ティボルト(緒月さん)、パリス伯爵(彩那さん)という順のようですが、星の時は二番手がティボルトで、ショーの幕開きの歌を歌ってました。微妙に配置が違うのですが、それぞれ個人の素質が上手く出るような配置になっていて、これはさすがと思いました。個人的には、花組をずっと見てきた私としては、歌もお芝居も実力者の未涼さんが活躍しているのが、とっても嬉しかったかな。
衣装
今回のロケット、お衣装がいいですねぇ。天使でかわいらしい。あまりセンスの感じられない公演もありますが、今回は本公演も色使いがグラデーションで最高。一人ひとりの色合いが違っていて、中立の大公は黒、モンタギューでも冷静な判断をするベンヴォーリオは、黒っぽい青など、芸が細かいです。今回は、主役級の人たちそれぞれに見どころの持ち歌があり、その周りで激しいダンスが繰り広げられるという構成なので、下級生たちの衣装もそれぞれ違っていていいですね。
ショー
トップ音月さんと上記男役4人の中に交じって、娘役姿の2人が踊っています。最初、役替わりのジュリエット二人かと思ったら、愛のせしるさんと、乳母のくらまさんですね!素敵。あと、緒月さん、最初はクリのような、つんつんのヘアスタイルで出てくるのに、すぐ次の場面ではオールバック!早霧さんも、銀橋の時は宝塚のキメスタイルなのに、次はまたマーキューシオのツンツンヘア(笑)。皆さんの気合いが伝わってきました(笑)
ジュリエット
舞羽さんは初めてでしたが、苦手と言われた歌唱も頑張っていましたね。難しい歌は苦戦しているなと思いましが、Aimerや、天国でのデュエットなど、ここぞという歌は美しく、本当に素敵なジュリエットでした。
ロミオ
CSで歌稽古風景を見た時、あら…アカペラでマイクもない状態で、こんなにも音程が正確で、声も響くんだ…と思いました。歌の歌える男役さん、とは思っていましたが、想像以上。今日、舞台でじっくり聞いていて、本当に素晴らしいと思いました。音月さんが歌い出すと、一気に場が安定するような、そんな気持ちになるくらい。ロミオの役柄は分かっていたし、音月さんの舞台は沢山みているので、期待通り、想像通りの、素敵なロミオでした!
以上。沢山書きたいことはあるけれど、長くなったのでこの辺で。終演後、音月さんは、「スイーツの国の甘い王子さまのご登場です」と紹介されてましたが(笑)、底抜けに明るい、屈託のない笑顔で、挨拶をしてくださいました。やっぱりこういった人が上に立つと、全体の雰囲気が明るく活気づくのだろうな…と感じましたね。これからの活躍に期待したいと思います。
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