マテトート&春野エリザ
帝劇はお高い…と敬遠しがちだった東宝エリザベートでしたが、春野&マテの回の土日で一番早い、5月12日に観劇してまいりました。 アップまで遅くなってしまったのは、少しばかり理由があったから…。それはおいおい、後から書いていきます。
実は、私が宝塚の「ファン」になったきっかけも、このブログを書くきっかけとなったのも、全ては春野さんがトートを演じられた、花組エリザベートを観たからである、と言えると思います。そのような、私の演劇鑑賞の原点とも言える楽曲と演者でしたので、チケットを去年のうちにGETしてありました。 そして当日の配役は、この通り。
開演してまず驚いたのは、マテさんが日本語で演じていること。私としては、東宝のライブCD(初期の一路&山口版)を擦り切れるほど聞いたので、脳内で日本語変換できるから、ドイツ語でも良かったのですけどね(笑)。そうそう、去年の今頃だったでしょうか。MITSUKOで日本のミュージカルに出演された時も、マテさん日本語で演じられてましたね。
話はそれますが、このMITSUKOにマテさんが出演したということは、それだけですごいことなんですよ。というのは、一年前は、世界中の人々が日本を敬遠し、日本に行けば死ぬと恐れていた時期…。我先にと、外国人が先を争って出国している状況の中、実際にマテさんが来日するまでには、相当な反対があったようです。それを振り切って、来日してくれたのだと分かった時、日本語が片言でも、日本への愛が感じられて、本当に嬉しかったのを覚えています。 (終演後の小池先生の話だったと思います)
話は戻って…。そのMITSUKOは、歌だけでなくセリフも多かったのですが、今回のエリザベートはセリフが数回のミュージカルですから、全く問題なしでした。2幕目になったら、本当に何の違和感もなかったです。
宝塚のトートは「冷たい黄泉の帝王」を前面に出していますが、ウィーン版は、力で物事を変化させるような、男性としての野性味が溢れているトート。東宝版は、その中間の雰囲気に思うのですが、やっぱりマテが演じると野性的な感じですね~。死というより、生々しく陰謀をめぐらす、野生の男(笑)
このように、思い入れのある春野トートと、去年感激したマテさんの競演だったので、一幕は、女優になったおささんの変化を観察してしまったり、マテさんが春野トートに見えたり、DVDで観たウィーン版マテトートが重なったりと、いろいろフラッシュバックして、落ち着いて観ることができませんでした。
1幕は、春野さんも緊張されているように見えましたが、2幕になると落ち着ちついて、その魅力が出てきたように思います。晩年の方が、声のトーンを低めにしているので、自然にできるのかもしれませんね。長く「男役春野」さんを観てきましたが、ファントムの頃は、もっと感情の激しい、役になりきった自然な姿だったと思うので、まだまだこれから…という感じかな。ロングラン公演なので、最後の頃にもう一回、その変化を見たいな…と思いました。
…とここまでが、観劇した翌日に書いた感想です。
かなりこのようにオブラートに包んで書きましたが、実際のところ、春野さんの「女優二日目」(マルグリットは、退団後すぐで、あまり女優という感じではなかったので…)の舞台は、ぎこちない部分がまだまだ多いものでした。高嶋さんの”こなれた”演技の横で、女優としての所作、女声としての発声、細かい決まり事の多い舞台進行に、まだまだ戸惑っているように見えてしまって、全然魅力が出ていない、もっともっと本当はいいのに!と、もどかしく思ってしまって…。私はともかく、春野さんを初見の方は、これでは残念に思うのでは…と思い、この感想をアップできないでいたのです。
ところが…。先日知人が、東宝エリザを初めて見たと言っていたので、最近のネット上の感想を読んだところ、初日とは全く別人、という記述も見つかるようになりました。そうだよね、初めてづくしなんだから、どんどん成長するよね、と思って、会社の夏休み中のチケットを、1枚確保しました。福岡は遠いけれど、中日なら余裕で日帰りできますものね!
3か月間の公演を経て、どれほど変化しているかを楽しみにしたいと思います。
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