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2012年10月16日 (火)

【月】春の雪 :バウホール

 明日海りおさん主演の、『春の雪』。初日から3日目の、土曜日2公演を観劇してまいりました。

 帰りの新幹線の中で、ノート4ページに渡って感想を記録してあるのですが、まだまだ公演が始まったばかりなので、詳しいレポートはまたの機会にしますね。今日は、概要というか、全体的な感想を…。 ただ、物語のキーワードが書かれていますので、原作を読まずに観劇しようと思う方は、スルーしていただければ…と思います。

 今回の作品は、三島由紀夫さんの「豊饒の海」という4部作の、第1巻になります。私は今まで、恥ずかしながら三島さんの作品を読んだことはなく、今回初めて手に取り、その美しい比喩の描写に感嘆しつつ、その描写に隠された「裏」を考えながら読んでいきました。読んでいて、ふたりの行く末が気になってしまったので、一回目はざっと最後まで流し読みし、その後再び丁寧に読んだのですけれど…。これが全然進まないんですよ(笑) りおさんが、ロミオとジュリエットのお茶会の時に、(公演だけで精根尽きてしまい)寝る前に原作を読もうとしてもなかなか進まない、とおっしゃっていましたが、同じ!同じ!と思っていました。眠気と戦いつつ読むとなかなか頭に入らず、翌日もう一回読み直すことになる…という状態だったのです(笑)。

 その後、スカイステージで放送された、りおさんへのインタビューの中で、1幕は積み上げていく作業だが、2幕は積み上げたものを引き抜いて行くだけ…というお話をされていました。読書も同じで、前半はそうやってなかなか進まなかったのですが、後半は一気に読み進んでいけたのです。演じる方も大変だけれど、その心情を見ている観客も、一幕の清顕の心の動きを理解するのは、多少困難かもしれませんね。きよあき~、何でそう行動するかなぁ~と、思ってしまうのではないかしら(笑)。

 でも、その素直になれないプライドこそが、清顕の本質なんですよね…。大切なものを失って初めて気づくというのは、一般的は感情なのでしょうが、完全に手の届かない状況にならないと心が動かない、というのが、清顕なんじゃないかな…。

 この複雑な感情を持った青年を、りおさんは本当に原作そのままのイメージで再現されています(私が、明日海さんをイメージしながら読んだせいもあるのでしょうが…)。皇族や華族を中心とした、雅で官能的な、大正浪漫風の美しい絵巻物をみているような世界。そして、その中で息づく、有り得ないくらい美しい青年!(笑) (客観的なレポを書いているはずが、何でこうなるかなぁ(^^; )

 一番感嘆したのは、両親との食事のシーンで、トーンの高い丁寧な物言いとは裏腹の、すご~く冷たい視線が、ぞっとするような美しさでした。美穂さんも、同じような演技のところがあるのですけれど、この二人の、言葉と心情が異なっているのを感じさせる演技が、今回一番目を引いたように思いました。

 そして、心を一番打つ演技をしたのは、何といっても聡子と御門跡でしょう。今回の公演は、セリフのほとんどが原作に忠実で、キーになる言葉が、セリフに全部含まれているんですが、ここは原作にはない部分なんじゃないかな…。ここのシーンによって、原作ではあまり共感できなかった聡子の心情が、一気になだれ込んできた感じで、涙が止まりませんでした。

 でも、この場面があることで、聡子は自らの道を自分の意思で選んだことが鮮明になり、想いの届かない清顕との対比がくっきりとしてくるんですよね…。ロミオとジュリエットも同じ悲劇ですが、観終わった時にすがすがしい気分もするラストだったので、どうして違うのかな…と考えてみたのですけれど、ロミオとジュリエットは、二人とも自分の意思で命を絶って天国で結ばれる、そして、その想いは引き継がれて両家が和解する、素敵なラストのショーもある、ということで、観客も納得のラストだったのかな…と思います。この春の雪は、二人がそれぞれの道に引き裂かれて終わるので、ハッピーエンドに慣れたヅカファンには、なんとな~く、もやもや感があるのかもしれませんね。

 私は2巻以降読んでいませんが、あらすじを追ったところによると、輪廻転生を描いた作品なのだと思います。それが舞台では見えないので、シャムの王子たちも、清顕と聡子が逢うための道具にしか見えなくて、ちょっと残念だったかな。もう少し転生を前面に出して、希望を持たせるようなラストでも良かったように思いました。何と言っても、みりおファンですからね。主人公が浮かばれない人生を送ると、こっちまでつらいのよ(笑) でもね。最後のパレードやご挨拶が、「最高に幸福な夏」を過ごした時の、白いお衣装だったので、それで救われたように思いました(^^)v

 そんな悲しいラストですが、全体としての感想は、三島作品のエッセンスが凝縮された、そして、「美しすぎる清顕」が目の前に実在する(笑)、そんな作品に仕上がっていたと思いました。原作をじっくり読んだからこそ分かる、本田や蓼科、飯沼の表情も、とても印象的でした。バウはもう行けませんが、東京で観たのち、今度はファンモードで書いてみようかな~と思ってます♪

11月4日追記:青年館の感想はこちら。かなり印象が変わっています。⇒ ◇春の雪:青年館

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