【月】ベルサイユのばら:初見の感想
お正月公演として幕の開いた、月組ベルサイユのばら、『オスカルとアンドレ編』を、日帰りで2公演観劇してまいりました。内容については、日本経済新聞にて、詳細に写真入りで紹介されているので、そちらをご覧くださいね。
◇宝塚歌劇団月組公演「ベルサイユのばら」 伝統引き継ぎ、祝祭のような空間
概要
昔から変わらない、小公子と小公女の”ごらんなさい”で開演。子供時代を使って時代背景の説明したのち、オスカルが衛兵隊隊長として赴任するところから始まります。王宮も貴族もほとんど出てこない、市民の出番が多いベルサイユのばらだと感じました。アントワネットもいないですし、フェルゼンとジェローデルは、ほんの一場面です。
月組はスカーレットピンパーネルを演じたばかりですし、今回の主題が、”オスカルが市民の側に立ち、革命を成功させるまで”を描いていることもあって、いろいろと重なってしまいますね。そのロベスピエールさんが、圧政をするんだよ…とか思ってしまう(笑)。そこがまた面白いところかもしれません。
ベルばらと私
私はもともと原作の大ファンですが、漫画を読んだのは、『昭和ベルばら』の上演よりも、かなり後になります。81年ごろかな?だから、宝塚歌劇で話題になったものだ、という認識はありましたが、当時は全く無縁に過ごしていました。 学生時代ですから、ご多分に漏れず、オスカル一筋でしたね(笑)
次に関わりのあったのは、大輝ゆうさんを間近で見た時かな。あるライブに行った時、何で「愛あればこそ」の曲が流れると、客席が大笑いになるの?と思った時です。(詳しくはこちら⇒退団されたジェンヌさん) その後、宝塚のビデオを借りる日々に突入し、ベルばらも見たのですが、これがうわさのベルばらか~豪華ねぇ~。でも、宝塚って、お笑いだったの?ちょっとビックリ…という感想だったと思います。
そして、舞台を観劇したのは、2006年版。初めての生ベルばらは楽しかったし、白羽さんのアントワネットに号泣モードだったのを覚えています。
◇ 【雪】オスカル編
役替わり
そして、待ちに待った月組ベルばら…。私が観劇したのは、26日の役替わり2公演になりますので、1か月近く待ったのですが、その間、今回の役替わりは、とてもハードなものではないのか…と心配していました。 これだけの、古典の大作…。ひとつの役を究めるだけでも大変だと思うのですが、”イケメン”アンドレと、男装の麗人であるオスカルを、昼公演と夜公演で、それも女性が演じ分けることは、相当難しいだろうな…と思ったのです。
実際に舞台を観て思ったのが、トップと準トップの役替わりということで、主演のオスカルだけでなく、アンドレの存在がとても大きく、登場シーンも見せ場も多いのです。ロミオとジュリエットの場合は、正反対の性格で、絡む場面もほとんどない二役でしたが、今回は常に一緒に寄り添う役どころで、同じ場面内で、立ち位置も歌うパートも逆になる。明日海さんは、さらにベルナールも演じている。劇団もこの二人には、どこまでも試練を課すなぁ…と思いました。終演後もお稽古続きでしたし、ジェンヌさんたちが体調を崩されませんように…と願っています。 明日海さんの花組異動はショックでしたが、役替わりなく、2番手としてじっくりと成長する機会になるのであれば、それもまたいいのかな…と思ったりもしました。
でもね。もちろん、1ファンとしては、役替わりで2バージョン観れるのは、本当に楽しいです♪ オスカルとアンドレの比重が同じ程度なので、どちらのバージョンでも楽しめますから、終演後に、「私はこっちがいい!」と友人と話すのも楽しそうですね(笑) ちなみに私はみりおファンですが、どちらかと言うと、アンドレの方が好きだったかも…。東京で観る時に、またどう感じるのか楽しみです。
全体的な感想
今回思ったのが、ベルばらって、テーマパークと似ているのではないかしら…?ということです。私は、デo○ニーに思い入れはないですが、一旦園内に足を踏み入れると、そこは魔法の国。その世界にどっぷり浸って、楽しめますよね。ベルばらも、劇場に行くまでは、またか…という気分がないわけではなかったのですが、話が始まると、ピンク・ピンクのベルばらワールドに引き込まれてしまいました。
でも、そこから続くお話は、宮廷絵巻ではなく、”貴族が貴族のあり方に疑問を持ち、市民と革命を成功させる”部分に、焦点を絞っています。衛兵隊や家族の生活の現状が鮮明に描かれていますし、オスカルや、その周囲にいる者たちの心情が伝わってきたので、現代でも共感を持てたのではないか…と感じました。
オスカルもアランも、ともに貴族でありながら革命へと突き進んでゆきますが、特に今回はアランがいいですね~。オスカルが、軍服を着ていても完全に女性として見えるのは、この星条さんの「男性の野性味」の表現力が大きいように思いました。 でも、荒くれ男ではなく、貴族だった雰囲気も残しつつなので、さすがですね。
また、このオスカルとアンドレ編は、”アンドレの想いが成就するお話”なんだな…と思いました。龍オスカルは、劇画や古典の立ち振る舞いを踏襲しつつ、女性らしさが前面に出ているオスカルで、とても凛々しく可愛らしいです。それに対し、明日海アンドレは、従者らしい雰囲気を出しつつも、苦しい心情の吐露や、オスカルへの熱い想いがほとばしる演技で、涙する人もとても多かったように思います。
革命の達成…。真の愛に気づき結ばれる2人…。やはり、ベルばらはハッピーエンドなんですね~。次回は、もうちょっと、各ジェンヌさんに焦点を当てて書いてみたいと思います。
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無事に見て来られてよかったね(^^♪
宙組のベルばらに衝撃を受けたのを思い出しました!(^^)!
役替りがあるとか全然知らなくて、水君とさえちゃんが入れ替わっていて
びっくりしたっけ(^_^;)。
何だかんだ言っても、やっぱり華やかだし舞台化は宝塚でしか出来ないよね~。
麗しきみりおオスカル、楽しみです♪
なぜだか2日連続になってしまい、しかもみりおオスカルだけになっちゃった(^_^;)。
それにしても・・・雪穂さま、文才あるよねっ!感想のまとめ方がすごく上手だもん♪
私は(最近サボってますが(^_^;))ダラダラ長くなっちゃって、最後には自分でも
何言ってるんだかわからなくなって諦めます(爆)(^_^;)。
投稿: れいこ | 2013年1月28日 (月) 20時59分
ありがとう>れいこさま
でも、文才と言われたのは初めてよん(笑)
文系科目が出来ないから、理系に進んだ私だし…
きっと、宝塚への愛が、文章に表れているのだと思う、、、(…とベルばら風に(笑))
今日はもうちょっとくだけた雰囲気で、明日はもっとファンモードで書く予定です
投稿: 雪穂 | 2013年1月28日 (月) 21時34分
本当に~!文章がとてもお上手で、なんかエッセイとか評論家の文章を読んでいるかのようでした!
よもやま話も読ませていただきました。
ほんとうに、文才がおありだと思います!
しかも、理系と伺ってびっくりです(笑)
どこまでも多才でいらっしゃいますよね。
本当に尊敬です。
私も、待ちに待ったタカラヅカニュースでのみりおちゃんのオスカル映像を昨日観ましたが、思いのほかアンドレのほうが魅かれました☆
お稽古期間の問題かもしれませんが、東京で観るのが楽しみです!
投稿: ちぃ | 2013年1月29日 (火) 08時19分
>ちぃさま
仕事は、毎日、プログラミング言語とにらめっこしてますが、
詳しくはここでは書けないので、今度お会いした時にでも…ね
あ~ニュース!今から録画予約してこよう~っと。
それを見て、感動を思い出してから、記事をアップしようと思います。
東京ももうすぐですし、ちぃさまの感想も、是非お聞かせくださいね~♪
投稿: 雪穂 | 2013年1月29日 (火) 20時20分