帝劇 花總エリザベート
本日は、もう何か月も前から楽しみにしていた、花總エリザを観劇してまいりました。花總さんは、私が宝塚を観るようになったきっかけの方…。かれこれ15年くらい前だったでしょうか。古い友人から、「宝塚のトップを務めている花總さんは、後輩だよ。もう長いので、早めに行かないと退団しちゃうよ。」と言われたため、重い腰を上げて、初めて一人でチケットを取って宙組公演を観に行ったのです。その後もぽつぽつと何度か宝塚は観に行ったものの、特にハマるということもなく、私が突然宝塚に堕ちたのは2002年の花組エリザベートでした。
その後、今までの宝塚エリザの録画を観まくり、宝塚の再演も帝劇のエリザも何度も観に行き、一路&山口さんのCDを完全に覚えるまで聴きこんだのですが、どうしても、何をみても、どこかしっくりこなかった。あんなに好きな楽曲で、プロローグからワクワクするのに、なぜか1回観れば十分…というという感じ…。
でもね。2012年に、この記事で書いたガラコンサートの宙組版(姿月トート&花總エリザ)を観た時に、これが求めていたエリザだっんだ!と思ったのです。舞台装置も、ダンサーもいらない。私は、エリザベートの世界観を伝える「歌」が聴きたかったのだ…と思いました。花ちゃんは、長い宝塚トップの経験を経て、演技に磨きがかかり、歌唱力もアップし、初演から20年経っても、子供の可愛らしさと気品ある美しさが健在で…。退団後のブランクを感じさせない演技に、本当に驚きました。
それで今回も、歌唱を重視して、井上・山崎・田代で観たいと思っていたのですが、全く取れない!最後はもう、花ちゃんシシィなら何でもいい…と思ったのに、ダメ…。それで、取れません~と叫んだところ、何と友人から1枚お譲りしますよ、と声をかけて頂けました。もう天のお声と思いましたよ。本当にありがたかったです。それでこの配役(*^^)v
総評
私は、ウィーン版DVDを観ても、そのまま脳内で日本語の歌詞に変換されるほど、どの楽曲も聴きこんでいますので、今回の細かい演出の変更も、そうかなるほど…と思うことが多かったかな…。一つ一つは上げませんけれど、一番印象的だったのは、エリザベートが自発的に死を受け入れた…ということだったでしょうか。自ら黒衣を脱ぎ、自分から死の接吻を求めに行く。死への誘惑は、生涯エリザベートに付きまとっていたけれど、常に抗うものだった。それがこのシーンでは、自ら死を選んだということが明白です。宝塚版では、死がエリザベートの愛を勝ち取った…という形で描かれている場面ですけれども、東宝版では「エリザベート」こそ主人公であり、選ばれたのがトートだった…という強烈なメッセージに受け取れました。
あと、舞台装置も大幅に変わりましたね!私は2階席でしたので、想像でしかないのですが、かなり見やすくなったのではないでしょうか? 昔、前から7~8列目だったのに、全く舞台が見えない時があって、それ以来、「帝劇のS席は高いばかりで損」と敬遠していました。でも、あれだけ高さがあれば、見えるのではないかなぁ…。全体的な色彩も重厚感があり、ヨーロッパの荘厳な雰囲気を伝えていますね。昔ヨーロッパ旅行で、お墓も含まれた教会に足を踏み入れた時に、畏敬の念を感じたのを思い出しました。
配役
もう、花ちゃんは言うまでもなく…と言いたいところですが、発声を少し変えたのでしょうか。子供時代の可愛らしさを、この年代で出来る方いない!と断言できるほど最高だったけれど、結婚初期の頃は少しイメージと違ったかな?でも、その娘時代から、晩年への移り変わりは素晴らしく、ここぞという場面での迫力は、この細い体からどうやって出てくるの!?というくらいに素晴らしい。
そして、私は演劇については素人なので、どうしてなのか全く自分でも分からないのですが、花ちゃんの歌は涙腺崩壊になるんですよね…。二人のボートが、こんなにも素晴らしい曲だと、今日初めて気づいたかもしれません。今まではほとんど見向きもしなかった曲なのですが、これこそ、このミュージカルの”肝”なんだ…と思いました。やはり主人公としてのエリザベートの心情を的確に表している曲なのでしょうね。
井上くん。昔、ルドルフとして姿月トートと闇が広がるを歌った時は、可愛らしいルドルフ♪と思っていたのに、満を持してトート閣下ですね!予想通り素晴らしい歌唱でした。この間偶然入りに遭遇して、何となくそのまま近くで拝見していたのですが、ファンの方と丁寧に接していらっしゃって素敵な方でした。それがここまで「死」に変貌するとはね(笑)
山崎くん。さんまのカラクリで観て以来、最近私が観た帝劇は全部山崎くんがご出演(^^) (レディべス、モーツアルト!、エリザベート)。期待の若手歌手さんですが、今回の黒い役も生き生きと演じていらして、高嶋さんのこなれた演技とはまた違う、新しいルキーニだなぁと思いました♪
田代くん。ミュージカル初舞台(マルグリッド)以来かしら…。今日のフランツいいじゃない?と思っていたら、万里生くんだったとは…。1幕は全然誰かわかっていなかったけれど、いい声しているな…と思っていました!
京本くん。この音大声楽科の3人と一緒に、ジャニーズさんが入っているのか…という程度の知識がなかったのですが、薄倖な青年に良く似合ったビジュアルだけでなく、歌も上手ですね!両親の名前も知らずに、なかなかいいじゃない♪と思っていました。これから頑張って欲しい方です。
未来さん。お芝居の上手さも、歌唱の迫力も健在!と思っていたら、冊子を読んで、ご出産されたと知りました。そうだったのね~(^^)vおめでとうございます。
そうそう。何故か最近、城田トートを観た友人たちが、そろって「城田トートが良い」と大絶賛なんですよね~。もともとビジュアルは申し分ない方なので、皆さんのツボにはまる演技と歌の技量が備わってきた…ということなのでしょうか。今回はもうチケットが無理ですけれど、再演の機会があれば観てみたいと思います。
ご挨拶
今日はコープと丸井の貸切公演でした。井上くんからご挨拶。
「私も、トートダンサーたちも、ミックスキャロットで育ちました!黄泉の国にも、生協はあるんです(笑) 服は丸井です!最近はエポスカードって言うんですね。」
すかさずツッコむお花様。
「私たち、ちょっと古いから…」(笑)(笑)
井上くんが、年長組なのか…カンパニーはかなり若返ったのねぇ…と思いました。新生エリザ、これからも期待しています♪
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