【星】 礼真琴さんのショーヴランについて
大劇場まで2回遠征して、星組のスカーレットピンパーネルを合計7公演、観劇してきました。今回、人生で初めて、ゆっくりと一人旅ができる状況になり、自分は何をしたいのかな…と考えたら、琴ちゃんのパフォーマンスを心ゆくまで観て、それ以外の時間はゆっくりと過ごしたい…と思ったのです。
そんな目的の遠征だったこともあって、観劇3時間以外は予定を入れず、タカラジェンヌさんの出勤風景を見たり、桜の残る花の道で、花を愛でつつポケGOしたり(笑) (花の道はポケモン湧きすぎです(^^;)、ホテルで感想を文章にまとめたりしていました。
最初は、9年前の初演時に書いた星組公演評のように、 客観的に再演としての講評をしようとしていたのですけれど、どうしてもうまく書けなくてね…。それで7回目にして、客観的に観るのはあきらめ、千秋楽では心の赴くままに感想を書き留めてみることにしました。
そうして分かったこと。それは
私、琴ちゃんのことしかメモしていない!
ということでした(笑) 最初の遠征前、黒い役なんてできるのかしら…大丈夫しら…と、娘の発表会を見るような親の気持ちで心配していた私ですが、予想を遥かに超えるパフォーマンスに、感嘆・賞賛を通り越して、すっかりファンモードになっていたようです。琴ちゃん目線で観劇していたから、客観的な感想を書くことができなかったのか…と、妙に納得してしまいました(笑)
では、何が良かったのか。順に書き留めていき、最後に総評としてまとめたいと思います。
* 全体的に、発声が野太い声になっている。ついこの間まで、きゃぴきゃぴな女役だったとは思えない…。
* 初演ショーヴランは、冷徹で恐れられた存在なのが際立つ役作りだった。マルグリットと恋仲…?と思うような、非情な悪の権化だった。
* 今回は、信念のある熱血闘士という感じ。ロベスピエールの存在が大きくなっているので、中間管理職感が増している。目的のための処刑であり、仕事と恋に揺れ動く、人間味のあるショーヴランになっていた。
* 兎にも角にも、琴ちゃんの圧倒的な歌唱が際立っている公演。他の主演級3人も、本人比で頑張っていると思ってはいますが、今回の琴ちゃんは、声量も音程も秀逸過ぎ…。最近、どんどん感情が乗るようになってきたので、最強です。
* それが良くわかるのが、「鷹のように」の最後。「狙い定め 舞い降りる鷹のように~~~~~」の伸ばした音です。微妙なピッチの高低を、是非聞いていただきたい!と思うのですが、ここのシャウトの音程のコントロールは、何なのこれは!?というくらい完璧な内容で、「音を操っている」という言葉が頭に浮かびました。ただ叫んで音を外すのではなく、完全に声帯を楽器として使いこなしているような感じ?w(゚o゚)w
* 歌唱はとどまるところを知らない…という出来ですが、今回、お芝居が良くなってきたように思います。冒頭も、ロベスピエールとボックス席にいる時、マルグリットを見たい…という抑えられない気持ちが良く伝わてきますし、後半の下手側のボックス席にいる時と全然表情が違う。
* 脅しつつ、「また君に会いたい…」と言うところ。初演時は、何されるんだろう…と恐怖に感じたセリフですが、この公演、セリフの最後が、囁くかすれ声になることが多くて、超セクシーボイス!ムケーシュの経験が役に立っているのでしょうか♡
* ロベスピエールと一緒の時、「ハ…」というセリフがとっても多い!というより、「ハ」ばっかり(笑)。 でもその「ハ」の言い方バリエーションが多くて、それぞれの意思が伝わってくるのが、スゴイと思いました。全然納得してない「ハ…」だったり、お任せ下さい!の「ハ!」だったり。特に、「降格させるぞ!」の「ハ…」が好き過ぎ。これも、声を操っている感があるんですよね。
* 「俺を愛したことはないのか!?」のセリフ、上手前方席だったときに、初めてはっきり表情が見えたのですが、もう辛すぎ…。(相当入り込んでいる私(笑))
* 決闘シーン。底辺から這い上がって今があるショーヴランの剣と、貴族のたしなみとしての剣術の対比が、よく出ていると思いました。でもこのシーン、紅さんの迫真の剣が空を切り、琴ちゃんが狭い橋の上で転んで避けるのですが、橋が想像以上に狭いんですよ…。琴ちゃんの運動神経は信じているけれど、無事に公演が終わるよう祈っています。
* ショーになった時のひとかけらの勇気。お芝居の間、眉間にしわを寄せてにらみつけていたショーヴランが、「礼真琴」として晴れやかに歌うのですが、この開放感がものすごい!初日開けてすぐと、大劇場千秋楽でまた違っていて、どんどん深く明るくのびやかになっている。この歌を聴くためだけに入場料1万円払います!と思うくらい、大好きです。
* 群舞では、とうとうセンターで踊っていて…。最初見た時は、感極まってしまいました。後ろ斜め上方に向かって、一回転するところが、いいですね♡ やっぱりダンサーな琴ちゃんもすごいなぁ~と思ってしまいます♡
追記: 5/30
* 東京に来てから、さらにさらに進化しています!今までの観劇記録を、軽く超える回数を見ており、セリフも「間」も、全部頭に入っているような状態なのですが、礼さんの歌には毎回感動しています…。
* 特に今日は、「君はどこに」が泣けて泣けてしょうがありませんでした。本当にマルグリットを愛していて、彼女が変わったことを理解できないんだろうな…と、ショーヴランの感情がひしひしと伝わってきたのです。夢に向かって一緒に歩んだ彼女は、底辺から這い上がったショーヴランの夢そのものなんだろうな…と思わせるものがありました。
この、ピアニッシモから始まる歌を、ここまで感情を乗せて歌えるなんて、本当に驚異的です。ひと昔前は、カラオケ風だなぁ…と思っていたのに、この急成長は何なんでしょう!!!
* 歌だけでなく、私は琴さんの「滞空時間」と「ターン」に萌え萌えです(笑) 剣舞でくるっと後ろ向きで回転する時も、さらっと飛び上がるのにしなやか…。栄光の日々を熱唱する合間にも、さりげなくターンをするのですが、これも毎回、ピタッと決まる。一つ一つの動作がブレないのは、琴ちゃんだからできることなんだ…と、バレエの知識のない私でもやっと見分けられるようになってきました。この、滞空時間萌え、ターン萌えは、マイ見どころポイントです♡
総評
今まで、礼真琴さんと言えば、私のように応援している人もいたけれども、大方の見方としては、「男役なのに女役のキーもこなし、ダンスも歌もできる芸達者な人とは思うけれど、丸顔で可愛く、背も低いので、男役には向かない、女役に転向してもいいのでは?」と感じていた人も多かったのではないかと思います。特に、ハード系の男役さんがお好きなタイプの方にとっては、注目しないジェンヌさんだったのではないでしょうか。
新人公演時代のタカラジェンヌさんは、実力の方向性が違う、原石の集まり。いろんなタイプのタカラジェンヌさんがいるからこそ、ファンはそれぞれ、自分の好みの方を見つけ、応援したくなるのではないかと思います。
いつかこの人は開花する、この人が頂点に立って輝く姿をみたい、この人が歌い踊る公演を観に行きたい、と感じた時、応援メッセージを送りながら、成長を見守っていくことができる。それが、タカラヅカを応援するだいご味なのだ…と。
そのことに気づいたのは、タカラヅカを観始めてから、かなり経ってからのことでした。
今回の遠征で感じたのは、その蕾が一気に開花し始めている…ということ…。方向性を見失いかけて迷走する時もあったけれど、今回は、その潜在的に持っていた力を開放する術を身に付けたのではないか…と思うくらい、何か衝撃的なものを感じました。
学年に不相応な役を与えられ、首席というプレッシャーを抱え、下級生として生きてきた中では、いろいろな壁があったことだろう…と思っていますけれど、何か今回、一枚むけたような気がするのです。私はボキャブラリーはないし、演劇やダンスについて素人なので、どう表現したらよいかわからないのですが、今回正式2番手として昇格したことも、関係するのではないかしら…と感じています。萎縮せず、責任感も増し、おのが道が見えてきたのではないかしら…と。
歌える、踊れる、というアドバンテージを武器に、これからもお芝居を深め、どんどん素敵に輝いていってほしいな…と思っています。
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>メッセージを下さった皆さまへ
いいねボタンを通して、何人かの方からメッセージを送っていただきました。
共感したとおっしゃっていただき、本当に嬉しかったです。心をこめて書いた感想について、そうやって反応してくださると、書いた私も励みになりますし、一緒に応援していきたいという気持ちになります。
本当にありがとうございましたm(_ _)m
投稿: 雪穂 | 2017年4月23日 (日) 22時09分
>いいネを押してくださいました皆さまへ
このブログのいいねボタンや、ツイッターの方で、たくさんの方に押していただきました。本当にありがとうございます!お話を聞いていると、皆さん、ツボは同じなんだなぁ…と実感しております(笑)
東京の方はチケット難ですが、また何度かは観られることに感謝し、楽しみたいと思います
投稿: 雪穂 | 2017年4月24日 (月) 09時09分
初めてコメントします。
私はずっと元四季の方を追っかけていたのですが、友達に連れられて2回目の宝塚観劇&初スカピンで礼真琴さんのショーヴランに惚れ込みまして、ファン活動開始しました。
琴さんのショーヴランのここが好き!っていう気持ちを全て言葉にして頂いた気分で、この記事を読んで心が満たされました。
私はThe 男役って感じの低い声やシャウトがすごく苦手なのに琴さんの声はすごくツボでどうしてだろうと自分でも不思議だったのですが“音を操っている”コントロールされた声だからですね。納得です!
琴さんの滞空時間やターン、私も大好きですし、パーシーとショーヴランの剣技の対比も確かに…!と深く共感しました。
Twitterでもシェアさせて頂きました。
これからもブログ読ませて頂きます。
投稿: - aimer - | 2017年5月31日 (水) 20時10分
- aimer -さま
始めまして!共感いただけたようで、コメント、本当に嬉しく拝見しました。
私も、何でこんなに惹かれるのか、もやもやとしてしまって…。こうやって言葉にしたことで、そうだったのか、と再認識した感じです。
これからのジェンヌさんですものね。ご一緒に、応援していきましょう(*゚ー゚*)
投稿: 雪穂 | 2017年6月 1日 (木) 00時01分
もう、そのとおりすぎてびっくりしました❗
絶対、礼様は男役の方がいいです!アデレイドとかもむっちゃ可愛かったんですが、男役の低音とか、顔はかっこいいし、私、特に手が大好きなんです。筋がいいです。
ダンスもキレッキレで、他の人たちの一瞬先をいってるというか......。滞空時間、最高!
目線も、なんか伏せ目がちが今回多くて、よかったです。ありがとうって感じです。
スカピン終わってからのコメントになってしまいましたが、また見させていただきます!
投稿: みこと。 | 2017年7月 2日 (日) 14時07分
>みこと。さま
初めまして!共感していただけたようで、こちらもとても嬉しいですo(*^▽^*)o
アデレイドちゃんも大好きですが、男役で魅せてくれる礼さんも素敵ですよね!
阿弖流為初日ももうすぐ。また新しい琴ちゃんの姿を観られるのが楽しみですヽ(´▽`)/
これからも応援してまいりましょうね。
まずは、私は、阿弖流為の本を読み切らないと!!!です(゚ー゚;
投稿: 雪穂 | 2017年7月 2日 (日) 22時22分