【星組】赤と黒 初日感想
星組公演『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』の初日を観てまいりました。一言で感想を言うならば「ロクモの感動再び!」です。
ロックオペラMozartと同じように、お芝居と各主要メンバーの見せ場(歌)が織り交ぜられた典型的なフレンチミュージカル。あらすじは原作通りなので、基本的には宝塚版と同じなのですが、全く別物のように感じられます。
今回、お芝居要素は少なめかな…と思っていたのですが、それはプログラムを見て納得でした。「*場の出演者」という形式ではなく、歌の題名が順に載っていたからです。逆に、「歌の合間が芝居でつながっている」と言った方がしっくりくるかもしれません。(追記:よく見たら、その後に出演者の名前もありました。)
今回、歌唱力のあるメンバーで聴きごたえのある舞台に仕上がっているだけでなく、ルージュ(赤)とノアール(黒)という、愛と死のようなダンサーも舞台を盛り上げていて、見応えのある2時間半でした。
追記:千秋楽の感想はこちら⇒青年館感想
宝塚版との違い
大きく違うのはジェロニモ(暁)でしょうか。ストーリーテラーとして、単なる説明だけでなく、エリザベートのルキーニのような客席とのつながりも担当しています。初日から何人か釣られていて、客席に笑いが起きていましたね。
ヴァルノ夫婦(ひろ香&小桜)が、ちょっとコミカルな悪役になるのかな。この夫婦が事件のきっかけを起こしていくことになるのですが、ナンバーがとても良い!ほのかちゃん、さすがです。
ルージュ希沙さんとノワールさりおさんが、赤黒ダンサー。 主要メンバーの後ろで踊るダンサーは、主に下級生さんたちが担っています。
あと、今までの宝塚の赤と黒よりもお芝居が少なくなっていることもあり、レナール夫人の愛を最後に知って救われ、自ら処刑に赴く…という部分は、多少分かりにくいかもしれません。でも最後のお芝居要素を含んだフィナーレを見て、何だか救われたような気がしました。
主要メンバー印象
- 有沙さんが第1ヒロイン役、でしょうか。阿弖流為で組んだ時よりも、二人ともそれぞれに大きく成長しているのを感じました。女性としての魅力がしっかり感じられるヒロインで、さすが!と思いました。
- 詩さんが第2ヒロイン役ですね。お芝居が素晴らしいと思っていましたが、今回は歌も聴かせていて、実力のある方なんだなぁ…と思いました。
- 小桜さんが、今までの赤と黒にはなかった悪役側のご婦人ですが、何か憎めないお役(笑) 夫婦の歌も素敵でした。
- 暁さんが重要な役どころですね。1幕は緊張していたようですが、2幕のナンバーは素晴らしかった。琴さんの歌で男役が踊るところは、暁さんが先頭に立っていたと思うのですが、その場面がカッコよかった。
礼真琴さんの魅力
ここ数年、星組全体の組力として、歌唱力が倍増ししていると思っているのですが、今回のナンバーを聴いて「その中でもさらに大きく飛躍しているのが礼真琴さんなんだ」と実感しました。
私は礼さんの歌も踊りも、下級生の頃から大好きで長いこと応援してきましたが、実は入団当時の歌は「カラオケ」だと思っていました。それが回を重ねるごとに予測を上回り、そのたびに感嘆の思いで聴いていたのですが、今回は「まだこの上に行くのか!」と思ったのです。衝撃的でした。
近年、感情が歌に乗り移ったように感じることも多くなり、その想いがメロディーと共に胸に突き刺さってくるような気がしています。それに加えて、正確な音程というだけでなく、緩急自在な歌唱の技術も進化していますよね。最初、使用人としてのおどおどした青年が、ラテン語で一気に本性むき出しにする歌が、本当に素晴らしかった!
ビジュアルも、今回地毛が素敵で好みですし♡ (右側から見たツーブロックが好みです♪)
まだまだ初日。千秋楽までの変化も楽しみにしたいと思います。
セットリスト Act1
ここからは、たぶんこうだった…という記憶とプログラムを照らし合わせて書いています。琴さんとありちゃんの歌がすごい!ハモリがさすが!と思ったのですが、どれだったか分からず…💦 これは自分の復習用に書き出したものなのですが、次回の観劇後にそれぞれの印象をUpdateする予定です。分かる範囲でフランス版の歌にリンクしていますので、参考にしてみてください。(Mar26 updated)
[S1] 心の声(ジュリアン・ジェロニモ)
プロローグの歌。出演者がそれぞれジュリアンと絡むところが、その後の世界を暗示している。
[S2] 知識こそが武器(ジュリアン)
私の一押し!ラテン語を話してみろと言われた後の歌。初日は、仮面をかなぐり捨て、爆発的な熱さを前面に出したと思っていましたが、中日にもう一度観劇したら、緩急自在な歌に仕上がっていてさらに驚きました!
[S3] 鐘(ルイーズ・エリザ)
使用人のエリザがジュリアンを慕い、ルイーズが仲介しましょうと言う場面の歌。このことがきっかけとなり、ルイーズが自分の心に気づく。
[S4] 大切なこと(レナール・ルイーズ)
明るい雰囲気のレナール夫婦の歌。
[S5] 光をこの手に(ジュリアン)
白い十字架バックで、ルイーズを想い歌う。前半に自分の声とのハモリがある。後半、琴さんの歌で、暁さんを筆頭に男役総勢で踊るところが最高!テンションMAXになる場面です。彼女は降伏するだろう、僕の口づけに…。と歌い、場面はルイーズの部屋変わる。
[S6] 愛の言葉(ジュリアン・ルイーズ)
ジュリアンの力強い求愛にルイーズも…という場面の歌。リズムを取るジュリアンの何と格好良いこと!歌が終わると「ロケットは誰」かをルイーズが再び問う。この歌の直前は、理性と戦う貞淑な妻としての会話なのに、この場面になると甘い情事の後の語らいに聞こえる。その差がすごい。
[S7] ブルジョアはなんて素晴らしい(主要メンバー)
ヴァルノ家のパーティで、ジェロニモが歌う曲。下手で赤いシルクハットに変えて出演者となるジェロニモと、上手で髪飾りで髪をまとめるルイーズが見られます。どちらも何だか色っぽくドキドキ。この中に、ジュリアンとジェロニモのデュエットがあります。(私は歌で、あなたは知識で…と歌うところ)
[S9] 生きてきた証(レナール)
二人の仲がレナールの知るところとなった時の歌。
[S10] 赤い花(ジュリアン・ルイーズ)
ルイーズが自分の思いとは逆の行動を取った後の歌。ジュリアンは裏切られたと思い、その心の叫びを歌で表現している。バックは赤いバラ。全体的に赤いライティングで、ロクモを彷彿とさせる場面。
セットリスト Act2
[S1] 退屈(マチルド)
マチルドさんの歌が想像以上に良かった。素晴らしいスタイルと歌で、貴族社会を風刺する。
[S2] 宝石こそ勲章(ヴァルノ夫妻)
ヴァルノ夫妻が、資金の依頼という名目でラ・モール侯爵家を訪れた時の歌。この歌大好き。ほのかちゃん、素晴らしかった。
[S3] 散る花のように(マチルド)
書斎で仕事するジュリアンの元へ、マチルドが訪れた時の歌。マチルド詩さんのお芝居と歌が素晴らしい。そしてこの歌詞は、この物語の最後そのものです。
[S3] 愛か罠か(ジュリアン)
マチルドの置手紙を読んだジュリアンが、マチルドの心を読めずに悩む場面。
[S4] 夢物語(ジュリアン・ルイーズ・マチルド)
マチルドの部屋で愛を確かめ合う二人。ルイーズも含めて3人で歌う。
[S6] これは戦い(ジェロニモ)
ジェロニモが、悩むジュリアンに愛の手ほどきをする歌。ジュリアンが、手段としてではなくマチルドを本当に愛してしまい、心が見えない…と悩むが、それなら嫉妬させて本心を語ってもらおうと誘う。
[S7] お前の進む道(ラ・モール)
子供ができたと娘から告げられた、ラ・モール侯爵の父親としての歌。
[S9] 心の奥底へ(ジュリアン)
殺人未遂事件を起こしてしまったジュリアンが、牢の中で歌う歌。
[S10] レクイエム(ルイーズ)
裁判で死刑判決が下り、ルイーズが歌う中、処刑される。
[S11] 心の声 リプライズ(全員)
最後のパレードの歌。
週末に観劇できることを楽しみに、今週仕事を頑張って終えて、梅田に向かいたいと思います。
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