【星組】赤と黒 千秋楽 感想
星組青年館公演、赤と黒を観てまいりました。梅田千秋楽から10日経って観た東京公演は、良い意味で宝塚らしくない、素晴らしいフレンチミュージカルに進化していました!公演期間が短いので、マイ初日が千秋楽の二日前…という状態でしたが、観られて本当に嬉しかった!
初見はスゴイ!と思うだけで終わってしまった感がありますが、メロディーを覚え、歌詞の意味が入ってくるようになると、今回の赤と黒は「日本を代表するミュージカル」と言えるクオリティであると確信しました。特に冒頭の、仮面を脱ぎ捨てて歌うラテン語の「知識こそが武器」は、琴さんのパワフルで緩急自在な歌唱だけでなく、アンサンブルのコーラスが大進化していました。素晴らしい♡
初日の感想とセットリストはこちらです⇒初日感想
オンブルとジェロニモ
元々のフレンチミュージカルは、歌の合間をプリンシパルの芝居でつなぐような構成なのですが、星組版はオンブルという影の存在を取り入れ、舞台装置を下級生が全部動かしながら、自分も舞台上で息づいているという演出でした。これがまた素晴らしかった。舞台セットもDCよりサイズ感がぴったりなので、洗濯ものを畳みながら中央の芝居に注目しているとか、奥の芝居がよく見えました。
ジェロニモの存在も素晴らしくて、後ろから眺めていたり、オンブルにチャチャを入れたり、自分も登場人物になったり(着替え方がカッコよくて、色気満載♡)、目が足りなかった。
ジュリアンのお芝居
そして何と言っても、ジュリアンの目の芝居が素晴らしかった。
ジュリアンが部屋に行き「何て目で見るんだルイーズ…!」と言っているときの、抑え切れない想いがあふれ出ている目。
遠くを見ているように見えて、何も見ていない虚ろな目。
ヴァルノから問われた時の、刺すような威嚇の目。
最後の断頭台での、悟りを開いたかのような目…。
歌が印象的で素晴らしい公演ですが、一番心に残ったのは琴さんの演技だったんだ…と実感しています。
赤と黒に共感できるか
「未来と今を交換した」と言って死を選ぶジュリアンに、なかなか共感できずにいたのですが、前楽になって初めてその気持ちがスーッと心に入ってきました。
ジュリアンは最初から最後までルイーズの愛を信じたかったのだ…、ただそれだけだったのだ…と。最後にルイーズと想い合っていると分かった。もうそれがジュリアンにとっての生きた意味だったのだと。
マチルドが、レナール夫人がまだ生きていることを伝えた時に、急に涙が出てきたんですよね。そのお芝居にマチルドの苦しみが見えたし、逆にそれを聞いたジュリアンが苦悩から解放されていくのが複雑でした。
ファン目線で
冒頭の「知識こそが武器」は、歌の上手さに感嘆し、何度観ても琴さんのパフォーマンスを見て目がハートになりました。最高!
「光をこの手に」は、ジュリアンが2階で熱唱する前で、暁さん先頭の陣形で踊るダンスにテンション爆上がり!もう声は出せないけれど、心の中で「キャー~~♡ ステキ~♡ カッコいい~♡」と叫んでおりました(笑)
あ…これは梅田ドラマシティの記憶ですが、マチルドの腰に手を当てて下手にはける時、袖の奥に入るまでがよく見えて、奥の光に照らされてシルエットになって、歩き方がカッコ良すぎでした。白いトレンチコートのシルエットが脳裏から離れませんでした。
千秋楽トピック①
マチルドが本をわざと落とすのですが、梅田で本がすくっと立った状態になったんです。それが初日だったように思うのですが、それ以来ずっと倒れていたので、いつか立たないかな~と思っていたんですよね。最後の最後に千秋楽で出ました(笑) マチルドちゃんすごい。
千秋楽トピック②
芸術家になったら?とジェロニモが言うシーンで、ジュリアンが「革命家になら…」と返して、客席は目が点!
え?え?と思っているうちに1789の歌を歌い出し、直立不動で
「次回、星組大劇場公演 1789バスティーユの恋人たち、皆様、是非見にいらしてください!」
と次回番宣する二人(笑) 客席は大喝采で、しばらくざわめきがやみませんでした。私は思わず、ガイズ&ドールズでアデレイドちゃんが次回公演を宣伝して、ネイサンに褒められてキャピキャピ喜んでいた図を思い出しましたよ!同じ人とは…!ですね(笑)
千秋楽トピック③
最後、拍手が鳴り止まなかったので、幕前に礼さんが一人で登場。カテコではジュリアンから礼真琴さんに戻って楽しそうにしていましたが、さらに「琴さん」になってお話してくださったのが、何よりうれしかった。完走できない辛さを経験しているからこその言葉…。まだまだ頑張ってくれそうで良かった。お言葉通り、これからも全力で応援したいと思います。
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