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カテゴリー「礼真琴」の85件の記事

2024年4月 4日 (木)

ヅカファンが考えるRRR好評の理由

星組公演RRRの千秋楽が、間近に迫ってきましたね。今回、様々なバックグラウンドの友人から感想を聞く機会があったのですが、テンションに違いはあっても、好意的な感想がほとんどでした。これって近年まれにみる現象だと思ったので、つらつらと考えてしまって…。それで今日は「ヅカファンである」私が思う、成功の理由を考えてみました。理由は大きく二つ。

  1. 脚本の落としどころ
  2. 総合芸術としての実力

今日は、それについて書いてみたいと思います。

脚本

基本的に、映画の日本語字幕がセリフとして採用されており、RRRファンが「ここは入れてほしい」と思っている場面が取り入れられたことで、「原作へのリスペクト」を感じることのできる内容だったと思います。

ただ原作は「反英植民地闘争の歴史」を題材としているので、筋骨隆々で屈強な男性が力で抗うシーンが多く、映画では戦いそのものが一つの魅力となっています。そのため、原作を忠実に再現してほしかったファンから見ると、舞台は物足りなさがあったようで、直接的な言葉でそれを語った人もいれば、「宝塚は華麗だと再認識した」とぼかして伝えてきた人もいました。

ただその「力で抗う」部分については、私にとっては「何度も見たくはない」と思った残虐シーンそのものなんですよね…。映画はフィクションとはいえ、差別や抗争は現実に存在した歴史。それを避けてはいけないと理解はしていても、大画面で辛い場面が長時間続くと圧倒されてしまい、物語の流れがつかめなくなっていたように思います。感受性の強い友人は、全編見られなかったと言っていました。

女性ファンの多い宝塚でRRRを上演するにあたり、血なまぐさいシーンがカットされたことで安心感が生まれ、この映画が伝えたい趣旨がストレートに伝わるようになったのではないかな…と思っています。ある日の幕間のことですが、後ろの席のRRRファンのカップルが「俺、このコンパクトさは気に入った。原作が凝縮されているね。」と話しているのが聞こえてきて、それがとても印象に残っています。また、宝塚で上演すると「愛」に傾きがちですが、ジェニーの立ち位置とジェイクの改変も、納得できるものでした。

そんな両極端のファンが納得できる脚本になっているのが、このRRRが成功した一番の要因ではないでしょうか。原作へのリスペクトと切り取り方のあんばいが、秀逸だったのでしょうね。

総合力

RRRの上演が発表になった時、宝塚でやるなら星組だよねと納得した方は多いのではないでしょうか。トップコンビとNo2が宝塚屈指のダンサーで、主演の歌唱力は誰もが知るところ。実際公演が始まってからも、アカデミー歌曲賞となったナートゥは、皆が期待する一番華やかな場面になっていますし、「コムラムビームよ」で立ち上がる民衆の場面は、初めて宝塚に接する方に一番響いた場面になったようです。「歌・ダンス・芝居は、それぞれ職業として成り立つ分野なのに、それらが全部素晴らしいことに驚いた」という感想を多く聞きました。礼さんの演じる素朴な森の勇者と、暁さん演じる知的な英雄の完成度は、ブラボーと言いたい仕上がりですよね。

ただ、それだけだったらここまで反響はなかったと思うのです。

幕開きのWATERRR、マッリの歌声、火事シーンのFIRRRE、Dostiを歌うSINGERRRなど、どれも効果的で素晴らしい。ビームの仲間やラーマの叔父など、主演を囲む役者の個性も光っていますし、スコット総督夫妻をはじめとするイギリス側の傲慢さの匙加減も絶妙だと思いました。森の最終決戦の弓矢の光や、火事シーンの光の演出など、舞台装置や効果音の斬新さも素晴らしく、どれが欠けても魅力は半減したはずです。

前の方で見た時は、舞台各所で組子全員が生き生きと演じているのが伝わってきましたし、後ろから見た時は、舞台照明や光を使った演出のすばらしさに見惚れ、2階から見た時はオケボックスの熱気まで見えて…。まさに総合芸術なんだな…と思いました。

まとめ

この数年、突然休演になることが続いていますので、今回のRRRがここまで上演できたのが奇跡のようです。でもそのおかげで、沢山の友人に観てもらえて本当に嬉しかった。あと3日、完走できますように…と祈っています!

2024年1月29日 (月)

【星組】VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)

2024年幕開きの星組公演『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』『VIOLETOPIA』が、大劇場にて大絶賛公演中です。お芝居のRRRが適材適所な配役で、ストーリー展開や映像や光を上手く使った演出で話題となっている反面、ショーの方は私が1回で感想が書ける状態にならなかったので、千秋楽遠征前にショーの感想をまとめておきたいと思います。RRRの初日の感想はこちらです。

RRR 大劇場 初日 感想 (ヅカファン目線で)

今回VIOLETOPIAを観て痛感したのは、「私が礼さんが出演されるショーに期待するのは、”男役らしい客席サービス”なのだ。」ということです。それは直接ファンを釣るということではなく、例えば「私に歌ってくださっている❤」と思えたアシナヨ席。2階のセンターに近い席からオペラで見ると、涙が止まらなかったのを覚えています。グランカンタンテのボニータは『色気あるダンス』で悩殺でしたし、モアーダンディズムは「男役としての色気を学ぶ」ことがミッションだったので、客席にアピールする場面が沢山ありました。

VIOLETOPIAの初日、妖しい不思議な世界観であるとは聞いていましたが、「またフード付きの悩める青年か…このような役が多すぎでは…」と思ってしまって、”次の場面こそ…”と期待しただけで終わってしまったんです。本当にもったいないことをしました。

そして観た2~3回目。内容が分かってから観た時の世界観は全く違いました。一幕のお芝居は、異国の熱気で客席を興奮の渦に巻き込み、そして2幕ではしっとりと歌とダンスを楽しむ…。そんな組み合わせっていいな…と思ったんです。

その視点で観ると、妖しいゴシック的な世界観の中で、礼さんの細部までこだわった歌とダンスが堪能でき、近未来的なフィナーレも楽しめるショーなんですよね…。ストーリーは『劇場にまつわる記憶。悩める青年が最後に悟りを開く。』くらいで、各場面を楽しめばよいのだと思いました。

特に客席降り!礼さんのトップお披露目公演は客席降りのあるショーでしたが、一か月たたないうちに緊急事態宣言となり、4か月後に再会したときには中止となっていました。それから4年。やっとタッチも可能な客席降りのショーが復活して、本当に感慨深いです。

2週間離れた今、もう一度観たい!と思う場面は、サーカス、シャンパン美女、大階段の男役総踊りでしょうか。あ…、舞空さんの男役っぽい恰好がなんとも素敵で、「この姿を見せてくださり、ありがとう!」と思いました♡

今度の週末は、約3週間ぶりに遠征予定です。どう進化したのか。自分の見方がどう変わったのか。そんなところも含めて、一つ一つの場面を楽しみたいと思っています。

追記

現在、東京公演中です。今はこのショーも存分に楽しんでおります。

ただ一時期、自分の心が疲れていた時にこのショーを観たら、闇に取り込まれる感覚になったことがあるんです。特に狂乱の場面は、迫ってくる無数の顔、自分(孤独)が映し出される多数の盆を見た時、"恐怖"すら感じました。

その時、「ちょっと怖い」という感覚を楽しめるのは、心が健康で幸せの証かも…と思ったんですよね。そんなことを考えるくらい、このショーは受け取り方が個人で違うようです。今では「何で怖かったんだろう…?」と思っています。

それどころか、大劇場の客席降りで「指差しファンサ」をいただいてからは、印象が180度変わりました♡ 握手できる近さで、じーっと目を見て(あなたに…)とゆっくり指差しファンサをしていただいた時は、その後の記憶が飛んで、もうこのショー大好き~となった私。我ながら、何と節操のない…(笑) 

2024年1月12日 (金)

【星組】RRR 大劇場初日感想 (ヅカファン目線で)

大劇場で始まった星組公演 『RRR × TAKA"R"AZUKA 』『VIOLETOPIA』の初日を観ることが叶いましたので、"星組ファン目線"での第一印象をまとめておきたいと思います。

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映画で事前準備

本公演は、大ヒットしたインド映画RRRを、ビーム目線で描き直したミュージカル作品。ヅカファンにとってインド映画といえばオームシャンティオームですし、 RRRのナートゥダンスがアカデミー賞を受賞したこともあり、映画を見る前は明るいイメージの内容を想像していました。

ところが、映画館でショックを受けた私…。三時間のほとんどが、戦い、血、拷問、差別でした。イギリスの植民地支配からの独立運動を描いた作品ですので当然と言えば当然なのですが、生々しい描写に圧倒されたまま終わってしまったように思います。

見た後に知ったのですが、ラーマとビームは実在の英雄で、「その2人が出会っていたら」という想像の話であり、ナートゥは「差別にダンスで立ち向かう」、全編通して唯一明るいシーンだったのですね。そのため、初日を観る前は、

*三時間の内容を半分にするために、どのような切り取りをするのか。

*拷問シーンはどこまで再現するのか(危なくないのか)。

*あの筋骨隆々な俳優さんが膝を痛めたナートゥダンスを、毎日公演して大丈夫なのか。

と、楽しみよりは心配の方が大きかったように思います。

 

初日の感想

一言で言えば「最高!」

映画の肉弾戦・猛獣・拷問シーンをカットして、部族の娘の救出と男の友情、淡い恋心に絞った演出となっていました。映画のワイヤーアクションの代わりに炎や水をダンスの演出で盛り上げ、RRRのエッセンスが凝縮されていたと思います。さらに、映像や光の演出をふんだんに取り入れて、大迫力の場面になっていたことに感嘆しました!

コンパクトなストーリー展開。虎と戦うビーム、1万人を相手にするラーマ、2人で肩車で突破するシーンなど、戦闘シーンはほぼカットされ、ミュージカルとして間延びしない構成になっています。ビーム視点なので、最後のラーマに関連した部分が凝縮された感じです。そして、映像が非常に効果的!子供を救う火のシーンも迫力があり、ビームが旗を手にしてからは青の照明が増えて形勢逆転の様子が描かれています。場面転換にも使われていて、一気に外から部屋に変わっていますし、最後のクライマックスのラーマの矢も雨のよう。RRRは後方や二階で観てこそ、その良さが分かります!

ビーム視点の構成なので、マッリ連れ去りの場面や、歌で民衆を動かす「コムラムビームビームよ」のシーンは丁寧に描かれています。ムチで打たれてビクッとしながらもブレない礼さんの歌…その歌によって立ち上がる民衆のうねり…。この場面、最高です!そして、ラーマに助けてもらった後にその大義を知り、ビームの苦しさが伝わってきてウルウル…。そして森に行ってからのカッコよさったら♡ 

ラーマを演じた暁さん。ビームの恋の後押しをする時に「がんばれよ」と手を上げるのですが、自然とにじみ出る「モテル男の余裕感」が感じられますし、最後に本来の自分に戻って弓を射る場面は、神々しいほどに格好いい!ヘビの毒に苦しみながら、ビームの告白を聞くところのお芝居も素晴らしいです。

舞空さんジェニーが自転車で登場した時は笑いが起きましたね!この時のビームのもじもじが可愛いです。原作の映画では車に乗っていて、ラーマがタイヤをパンクさせて話すきっかけを作るのですけれど、星組Versionでは、あらかじめ自転車が修理できると観客に知らせた上で、この場面になっています。再現率も高く、美しく聡明なジェニーですね。

*トゲのムチで血溜まりを望むキャサリンはカット。貫禄はそのままに、小桜さんがパーティで歌を披露しています。超美声なのに、「うるさ〜い」という素振りをするさりおさん…(笑)

ジェイクの極美さんが、「いいヤツ」として出番が増え、何故か最後はお笑い担当に…( ´艸`)

ナートゥは、"歌いながら"、"ヒール"で踊っています。でも、各個人の負担を減らし、組子全体で作り上げている構成になっていました。ありちゃんの「ご存知か」でキター!という雰囲気となり、客席も手拍子で盛り上がって、劇場が一体となったように感じました♬ 途中、ビームとラーマが後ろに下がり、ペッダイヤとジャングが前面でナートゥを踊っているのですが、その間はビームとラーマが女性陣にダンスの指南をしていますので、お見逃しなく。だからその後、女性陣が一斉にナートゥを踊れるんですね。先頭のなこちゃんの、体幹が感じられるキレキレナートゥが絶品です!

 

最後に

この公演を観て、大義の為には同胞の犠牲も厭わないラーマが武器のない革命に気付き、身近な者しか見えていなかったビームが大義に目覚めた。そんな2人の友情と成長の物語なのだと、私もようやく気付けたように思います。細かい見どころポイントはまだまだありますが、今日は星組ファン目線での初日報告としたいと思います。

追記

こちらのサイトは、疑問と答えが完結で、なるほど!と思うことが満載でした😉 長いblogですが、観劇後におすすめの読み物として紹介しておきます。

ショーの感想はこちらです。
【星組】VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)

 

2023年8月28日 (月)

【星組】1789 東京千秋楽の感想

1789の千秋楽が無事終演しました。私は2階席から自分の思いを込めて拍手を送り、星組パッションに参加してまいりました(泣)もう何というか…。6月からの感情の起伏が激し過ぎて、ホッとした…良かった…という気持ちが一番かもしれません。

ここまでの道のりは…。

初日前
体調不良者が多く出ていることを公式に発表。それでも初日が開いたことに安堵。⇒初日の感想

翌日から休演
結局、初日の翌日から2週間半の休演となってしまいました。私は、新生児の孫の世話をしつつ時々大劇場へ通う予定だったのですが、その長期休暇中に行く予定だった公演が全て中止…。

大劇場再開
大劇場千秋楽は、素晴らしいクオリティで感動⇒千秋楽の感想

東京代役公演
東京公演は、声がかすれる出演者も多くなっていた中、最終的には主演の礼さんが休演に追い込まれる事態に…。たまたま、代役公演初日のチケットを持っていたので、礼真琴ファンの心を封印して、冷静なレポをしようと心がけました⇒代役公演レポート。

東京千秋楽
前日に「全てのピースがピッタリはまった最高レベルの公演! 」とツイートしたのが何だったのか…と思うほど、全員が数段ギアを上げた、素晴らしい千秋楽でした!


では、ここからは気づいたことを箇条書きで…。

★有沙さんアントワネット。BDとは全く違う歌唱で、素晴らしい集大成。この千秋楽の収録が放送される時を待ちたいと思います。

★極美ロベスピエール。大劇場では高音に苦戦していたけれど、今日が今までで一番良かったように思えました。球戯場の場面、圧巻でしたね。

★天華ダントン。パレロワイヤルの歌が大好きなのですが、「モテないこの俺に」という歌詞にいつも違和感が…。天華ダントン、モテないなんてある?(笑)

★小桜さんソレーヌは、通常のセリフがしゃがれて聞こえづらいくらいになっていますが、歌は大丈夫なんですよね。ロナンとはまた違った、女性の側から見た憤りや悔しさが伝わる歌で、観客の心を打ちます。そして今日思ったのが、兄妹感が増したかも!?ということ。納得の役作りですね☺

★武器を取れ。この1789の楽曲の中で、私が一番好きな曲。暁デムーランが朗々と歌い上げていますが、代役後、低音の響きが豊かになっていることに感動しました。

★瀬央アルトワ伯。薄笑い、操り感、オランプを誘う手管、どれも細かいところまで見応えあって、”兄夫婦を追い落として自分が…”という目標を、冷静に・着実に進めているのがよく分かるアルトワと思います。最後のロナンとの絡みは、観ていて「ああ…最後…」という気持ちになってしまった…。最後の歌唱指導も、拍手が鳴り止みませんでしたね…。

★舞空オランプ。「この愛の先に」の礼さんとの2重唱は”はもり”が素晴らしいですよね。見た目の可愛らしさが圧勝であることはもちろんなのですが、体幹があるからこそのコミカルな演技や、感情の込められたソロ歌など、本当に素敵な娘役トップさんと思います。

★琴ロナン。やはり、この人がいるからこその、充実したコーラスなんだな…と思いました。豊かなメロディパートの表現力。正確な音程でハモるからこその素晴らしいデュエット。そして琴さんが先頭にいるからまとまる、見応えあるダンス。礼真琴率いる今の星組は、充実度MAXです!

★ そして千秋楽は、瀬央さんの星組最後の日。組長さんの言葉に詰まった挨拶で泣きモードに入っていたのに、琴さんの「17年も一緒にいると家族以上、家族以上は何かと考えたら、もうそれは自分!」という名言に泣き笑い…。温かい空間でした。

★ そして8月27日は、舞空瞳さんと休演中の珀亜れいも誕生日です!という紹介。なこちゃんがドギマギするのも可愛かったし、その影響で大羽根が暁さんをツンツンしてしまい、ありちゃんを救い出すように引き寄せるぴーすけさんも、素敵でした。

★ そして終演後、礼真琴さんの各方面に対する配慮が詰まったご挨拶、ご自分の言葉で語った休演と復帰の心境、そして公演のセリフにかけて、デマの払拭(ポリープ疑惑の否定)まで成し遂げた最後の挨拶!本当に心を動かされました。

★ 終演後にオケボックスの中で、ガッツポーズや拍手が起こっているのが見えたんですよね…。東京での代役稽古など、イレギュラーなことも多かったであろう今回の舞台。あらためて、お疲れ様でしたと思いました。


これだけの人数がここまで集中した公演を、この先観ることは難しいだろう…!と思う程、 最高の舞台でした。心から感動しました♡

次回星組はRRR。戦いと拷問の割合が高い映画…という印象なのですが、どう宝塚にフィットさせるのか。お正月公演を楽しみにしたいと思います。

2023年8月19日 (土)

【星組】1789 代役公演 初日の感想

礼真琴さんの休演により、代役公演として再開した星組。その初日を観ることができたので印象を書き留めておきたいと思います。

  • ロナン・マズリエ 礼真琴→暁千星
  • カミーユ・デムーラン 暁千星→天華えま
  • ジョルジュ・ジャック・ダントン 天華えま→碧海さりお
  • オーギュスト・ラマール 碧海さりお→鳳真斗愛

客席も緊張感あるなか、組長さんの開演挨拶で代役公演が始まりました。

革命家

昔、オスカルアンドレの日替わり日程の時、会話の相手の役替わりは非常に難しいと聞きました。革命家の皆さんとロナンが出る、パレ・ロワイヤルやサイナモナムールは、同じ場面で違うセリフを言ったり、違うパートを歌わなければならない。3部会の椅子ダンスも変わってくる。短時間で仕上げるのは大変だったと思います。でも、パレ・ロワイヤルで代役が勢ぞろいした時には、客席は涙・涙でした。すばらしかった。

あと、本役ではデムーランが一番の指導者に見えるのですが、史実では、ジャーナリストのデムーランはダントン派の一員で、ロベスピエールに処刑されるんですよね。天華デムーランは、めぐり合いのセシルの印象があるからかもしれませんが、ジャーナリスト感があるなぁと感じました。

秘密警察

この緊張感にあふれた客席で、大笑いが起きると思っていませんでした。2幕は「秘密警察」らしい演技でしたが、1幕のオランプオタクなラマール、ツボでした(笑)。笑いが止まらなかった。

暁ロナン

モンテ全ツ。組替え初日の、ありちゃんの緊張感で引きつった笑顔が忘れられないのですが、今日も幕開き直後は緊張していたように感じました。でも1幕終わりの、1人で銀橋で歌う姿は圧巻!2幕に入ると、どんどん主演ロナンになっていったように思いました。

酔っ払って寝ているのがよく見えるし(大きい)、いち農民には見えない貫禄ある指導者の雰囲気でしたが(笑)、主演代役をここまで短期間に仕上げて、本当に素晴らしかった。ありロナンは「農民指導者が上京した」という雰囲気で、男らしさが全面に見える役作りでした。

フィナーレ(ショー)

基本的に…

  • 礼さんのところを暁さんが全てカバー
  • 暁さんが抜けたところに極美さん

でした。 パレードは音楽変わらず、デムーランの歌で天華さん、ロナンのトップ羽は暁さん。

もちろん礼ファンとして、星組をずっと見てきたファンとして、パレードを見た時に複雑な気持ちがないわけではありませんでした。でも、お芝居の延長という位置付けのデュエットダンスも、主演としての挨拶もそのままするべきと感じましたし、それに見合う結果を出したと思いました。

この日一回の1789を観るお客さまや、大羽根を見に来た初見の方にとって、私はこの配役で良かったと思います。主演代役という大仕事をやり切った暁さん、お疲れ様!と、大きな拍手を送ってきました☺

まとめ

終演後は、客席からの大拍手が鳴り止まない状態でした。もちろん全般を通して”代役”を感じる時はありましたけれど、初見なら分からないクオリティで終えることができた、と思いました。

ただ、この代役公演を観て知ることができたのは、振りやセリフを覚えた段階と、舞台に乗せるまでに仕上げるというレベルの差…。改めて、琴ロナン、ありデムーランなど、本役さんの完成度を感じたかな…。

代役の方のお衣装。サイズを直していないので、デムーランのお衣装が大き目に見えたり、ロナンのベストが短く見えたり…。でもそれは「本役に戻す予定があるから」なんだろう…と信じています。代役を演じきった皆さんに心からの拍手を送りつつ、本役さんがまたそのお衣装で舞台に立てる日を待ちたいと思います。

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2023年7月 3日 (月)

【星】1789大劇場 千秋楽の感想とセットリスト

今日は星組1789の千秋楽でした。星組の一致団結した雰囲気が感じられるだけでなく、前評判の高さを超えてくる、充実した素晴らしい千秋楽だったと思います。

ただこの公演は、初日の翌日から2週間の休演となってしまいました。私も6月は長期休みを取って17日まで関西にいたのですが、初日の感想を書き上げた8時間後に休演の発表が…。結局、生涯で一番長く大阪にいたのに、その後の観劇は叶いませんでした。宝くじ抽選会に当たり、星組もタダで観られるはずだったんですけれどね…。その貴重な初日を観劇できた時の感想はこちらです。

星1789初日感想

本日は、再開直後の日帰り遠征と、千秋楽の感想になります。

1789

  再開直後の状況  

千秋楽を観た後に思うのは、初日前のお稽古が減った影響は大きかったのだろうな…休演中の体力の消耗は予想以上だったのだろうな…ということです。星組1789は、初日の時点で大きな反響を呼びましたが、千秋楽近くの公演を観ると明らかにその差を感じました。この大劇場のラスト1週間のコンディションの変化は目を見張るものがあり、初日にすごいと思った感想は何だったのか…と思うほどです。

  月組・東宝との違い  

  • 月組は、ラストが冒頭に描かれていましたが、今回は完全に時系列。
  • 月組はトップ娘役がアントワネットを担当し、「許されぬ愛」をアントワネットが歌ったため、フェルゼンとの恋の比重が大きくなった公演。
  • 星組版は原作や東宝に近く、オランプがヒロインです。
  • 星組版では、身分が違っても愛し合えるのだと歌うロナンの新曲が増え、身分違いの愛に悩む「許されぬ愛」をオランプが歌うことで、二人の愛の物語であることが鮮明になったと思います。
  • 東宝版の書下ろしである「革命の兄弟」「武器を取れ」が、今回の星組で取り入れられています。

  物語の流れと挿入歌  

ここからは物語の内容に沿って曲の説明をしていきたいと思います。私自身が、曲名だけではどの場面で使われているものか思い出せないので、自分の頭の整理のために書いてみました。半分は自分の感想です。

第一幕

1場 ボース地方

幕が開くと、まるでフランスの農村の絵画のような光景が現れます。私の頭には「ミレー」「印象派」という言葉が浮かびました。くすんだ色合いの絵に、生命が吹き込まれたようなプロローグで、それだけでテンションアップします。ロナンの父親が殺され、ロナンが「公正な裁判の一つもないのか!」と叫んだあとの歌がこちら。この後ロナンは、妹のソレーヌを置いてパリへ向かいます。

2場 パリの街角

一か月後のパリでは、革命家のデムーランとロベスピエールが演説をしていて、そこにロナンが現れます。

  • Hey Ha(デムーランの演説)

その後印刷所で、デムーランとロベスピエールがロナンに自由と権利について説明し、一緒に歩いて行こうと誘います。

  • Fréres de la révolution(革命の兄弟)(動画はなし)

3場 ヴェルサイユ宮殿

一転して場面は妖艶なアルトワ伯の登場。コミカルな従者とのやりとりも楽しく、銀橋でお芝居しながら進むと、本舞台ではマリーアントワネットの華麗な場面が現れます。

  • Je mise tout(全てを賭けて。フランス原作版の動画にリンクしています)

場面は、アントワネットとフェルゼンの密会の場として選ばれたパレ・ロワイヤルへ。

4場 パレ・ロワイヤル

パレ・ロワイヤルは、革命家と娼婦の巣窟として知られた場所。でもそこでは、世の中が変わることを夢見ている人たちがいました。これは、ダントンの持ち歌。

その後、ダントンの愛人がロナンの妹だとわかり、カフェでソレーヌが「きれいごとで女は一人で生きていけない!」と歌います。心に刺さる、素晴らしい歌で、観客の涙を誘っていました。

5、6、7場 バスティーユの牢獄・ヴェルサイユ宮殿

ロナンは受け取った酒を飲んで、酔って眠ってしまうのですが、そこにアントワネットとフェルゼンが現れ、ロナンはその密会を偶然目撃してしまいます。巻き添えをくらったロナンは投獄され、その牢の中で歌う歌がこちら。鞭で打たれた時も、蹴られた時も、もうその反動のお芝居がすごすぎて、見ていられない。特に最後の焼きごては、見ていて辛すぎます…。

オランプはロナンを助けるためにバスティーユに向かうだろう…と判断したアルトワ伯は、従者を派遣します。でもロナンは、オランプの父の手引きで脱出に成功。キスされたオランプはここでは逃げるけれど、それ以降ロナンのことばかり考えるようになっていきます。その後ロナンが、巡り会うことがさだめなら逃げない…と銀橋で歌うのが、こちらの有名な歌。

8場 ムニュ・プレジール館

3部会が開かれるものの決裂。

9場 印刷所

ロナンが牢獄から戻り、ロベスピエールやデムーランと自由と平等について議論している時の歌がこちら。

摘発されて地下道を通って逃げる途中、シャルロットから「オランプに会ってほしい」と告げられ、ロナンは大聖堂へ向かいます。

10場 サン・ドニ大聖堂

王太子を亡くして傷心のオランプ…。ロナンとオランプの心が一つになった時のデュエットが、この曲になります。愛し合いたいけれど、敵同士…と…。

オランプは、信じる道の違うロナンとの愛に悩みます。「愛し合っていても、結ばれない恋もあるわ。」と告げて歌う歌が、許されぬ愛。今回、許されぬ愛をオランプが歌うことで、より「ロナンとオランプの物語」が際立つ構成になっています。舞空さんの力強い歌声は、観客の涙を誘っていました。

11, 12場 ヴェルサイユ、ムニュ・プレジール館

王は、平民が会議場へ立ち入ることを禁止することに同意し、デムーランら革命家たちは門を開けさせるためにヴェルサイユへ向かいます。奥には貴族、本舞台に平民。銀橋も使った壮大な1幕最後の光景は、星組全体のパワーを体感するような気がして心が躍りました!


第二

1場 球戯場

2幕冒頭。球戯場へ向かう民衆は、客席ドアから登場します!4列で銀橋へ向かい本舞台へ。その球戯場でロベスピエールが演説する歌がこちら。次第に3角形の体制に集合していく振付は、ぞくぞくするほど力強くカッコいい!

ロナンも加わった、その後のボディーパーカッションは見どころです。中央列の後方のお席だったことがあるのですが、正面を見据えたロナンをオペラ越しに見ていると、もう最高!の一言(笑)

3場 サン・ドニ大聖堂

アントワネットからの手紙を託されたオランプは、サン・ドニ大聖堂へ。しかし、アルトワの秘密警察に見つかってしまい、アルトワがオランプを誘惑します。この時、媚薬を手にオランプに迫るアルトワから目が離せないのですが、この時のフェルゼンとロナンも戦っているので、目がいくつあっても足りない場面です。

難を逃れたオランプが、ロナンと心を通わせる一瞬。自由になれる日が来たら、その時は…と誓います。これは星組公演のために作られた新曲で、ロナンが歌います。

5場 パレ・ロワイヤル

王からの命を受けて、ペイロールが民衆の鎮圧に動きます。それに対抗するため、デムーランが民衆に武器を取るよう呼び掛けるのですが、これが私が一番好きなナンバー「武器を取れ」。希望に満ちた歌で、暁さんの歌唱もとても素晴らしく、心が高揚します。観た直後は曲の名前が分からなったので、「葉っぱの歌、いいね!」と言っていた私です…汗。

  • Prenez l'arme(武器を取れ):東宝プロモーションの1フレーズ

6場 パリ市街

ペイロールが、民衆を威嚇する時のナンバー。

7場 ヴェルサイユ宮殿

ヴェルサイユ宮殿では、フェルゼンが逃亡を提案するものの、国王夫妻は断って残ることを選びます。アルトワやポリニャック夫人は、海外へ避難することを選びます。

  • Je Mise Tout : 革命が始まる
  • Je vous rend mon àme(神様の裁き):アントワネットの歌。有沙さんの集大成とも言えるナンバーで、客席からは惜しみない拍手が送られていました。

実は私、月組を見た時点では、アルトワ伯が革命後にフランスへ戻り、ブルボン家の最後の王になると知りませんでした。それを知ってからここのセリフを聞くと、そうなのか…なるほど…と思います。ここでオランプはアルトワからの誘いを断って銃を向けるのですが、アルトワ伯から「平民が武器を持つと…」と言われるんですね。王族から見たら、下級貴族は平民と変わらないのか…と思いました。

8場 パリ市街

1789と言えば…というくらいに有名なナンバー。サ・イラ・モナムール。意味を調べたら「どうにかなるさ、愛しい人よ」だそうです。歌詞に「誰もが自由に愛し合う世界」「きっと上手くゆく」「死ぬまで愛し抜く」という言葉があるので、なるほど…と思いました。武器を手にした市民が、爆薬庫のあるバスティーユへ向かうことを決める時の歌。

  • Ça ira mon amour(サ・イラ・モナムール):ミュージックビデオ

9場 バスティーユ要塞前

市民がバスティーユへ向かい、爆薬庫を守るオランプの父をロナンが救い出すものの、中尉を狙った銃弾に倒れてしまいます。

  • Sur Ma Peau(肌に刻みこまれたもの):ロナン
  • Fixe(叫ぶ声):ロナンの死を悼む歌。ソレーヌ、リュシル、デムーラン、ダントン、ロベスピエール

10場 人権宣言

8月26日、人権宣言が採択されて革命は終結へ。白いロナンが登場して、悲しみの報いを順に歌い継ぎ、ラストへ向かいます。この歌詞をプログラムで読んだ時、この1789で表現したかったことが、すべてこの中に集約されているな…と感じました。

フィナーレ

東宝版にないのが、こちらのフィナーレ。瀬央さんのせり上がりで始まるのですが、妖艶なアルトワさんから一転して、いつもの瀬央さんとして登場します。幸せな笑顔で歌っているのを見ていたら、これで星組最後なんて…とウルウルしました。

そして、ロケット、娘役さんに囲まれたトップのダンス、男役総踊り、デュエットダンス、パレードと続きます。星組最高!と思う瞬間です。詩(うた)さんのエトワールは、素晴らしかった!

  最後に  

今日は、星組パッションを私も叫ぶことができたのが最高でした!!!客席も声出しOKと分かった時は、思わず小さくキャーと叫んでガッツポーズしてしまいました。年甲斐もなく💦 そして実際に叫んだ後は、一人で泣いてました…。3年半前の眩耀千秋楽は、正義中毒に陥った民が歌劇をバッシングしていた頃。あの時のことを思い出すと、ここまで本当に長かった…と思います。入り出待ちや声出しの復活は、本当に奇跡のようです。

東京で完走できますように。

そして一人でも多くの方が、この楽曲の素晴らしさを、劇場で体感できますように。

2023年6月 3日 (土)

【星組】1789 大劇場 初日 感想

(大劇場千秋楽の感想はこちらです→ 【星】1789大劇場 千秋楽の感想とセットリスト )

初日の二日前に体調不良者の存在と、初日の時間を遅らせることを発表していた星組1789。加えて関西では、6月なのに台風が大接近し、計画運休が各所で実施されている中での開演となりました。私は前日入りしていたため、10時にキャトルレーヴに行ったのですが、その横の大劇場の改札には「舞台稽古ご見学の皆様へ」という看板が立っている状態でした。

  • 休演者の発表はあるのか。
  • この状況で、本当に初日の幕を上げることが可能なのか
    (ホテルのオーナーさんに聞いたところによると、厳しい状況だったようです)
  • 上げられたとしても、体調不良だった方々の調子は大丈夫なのか…。
  • 1年前のGWの休止連絡は、開演の直前だったよね…。
  • 台風で阪急が止まったら公演中止になるけれど、外の状況はどうなのか。
  • 帝劇版の1789には感動したけれど、月組の改訂がしっくりこなかった記憶あるため、今回自分がどう感じるのかも不安でした。

でも、幕が上がったら何の心配もいらなかった。本当に素晴らしかった。大丈夫だ!と安堵し、星組全員で作り上げるコーラスを見ていたら、涙があふれ出てきました…。

まだ初日ですので細かいレポートはできませんが、第一印象を書いていこうと思います。月組は1回、帝劇は2回観た程度で、記憶も薄まっている状況での観劇です。

1789_jun2_2023

  1789について  

初めて1789を観た時に感じたのは、私が知っているフランス革命は、王家の側から見たものだったのだな…ということ。一番最初は小学生の時に読んだアントワネットの伝記。そして漫画ベルサイユのばら、宝塚作品と続いたので、農民の立場で見たフランス革命というのは衝撃的でした。

また、歌がメインの構成で、群舞やコーラスに見ごたえを感じたので、逆に宝塚らしく改変したところに多少違和感を覚えたり、歌の力量の問われる演目だな…と思った作品でした。春の公演『赤と黒』を観た時に、今回の1789は期待できる!と確信したのですが、その多方面からのプレッシャーを見事に力に変え、見ごたえある作品に短期間で仕上げた星組の皆さんの努力に、心から敬意を表したいと思います。

  有沙アントワネット  

今回も、紅白歌合戦の小〇幸〇さんのようなスカートが出てきます(笑) その最初の印象的な歌も、最後のシンプルなお衣装で王妃としての決心を歌う時と、全く違っていましたね。これからもっと存在感が増していくのでは…と期待の持てるアントワネットと思いました。

  瀬央アルトワ  

登場したとき、何と美しく色気のあるアルトワさん…!と思いました。悪役というよりは、権力を持ちたい”したたかな男”という感じでしょうか。兄の王と並ぶと、これ兄弟設定よね!?と思いたくなるくらい、二人の役作りが対照的で素晴らしかった♡

  小桜ソレーヌ  

今回のほのかちゃんは、桜華に舞えの太郎を思い出させる、黒塗りで粗野な雰囲気。天使のファルセットを封じ、地声で迫力ある歌を聴かせてくれます。これからさらに成長しそうな期待。

  暁カミーユ  

最後の葉っぱを持つところの歌。ここを歌わせたかったのかな…と思ったほど、カミーユの歌が素晴らしかった。フェルゼンが出てくるたびに、あ…ありちゃんじゃない…と思うのですが(笑)、観客も暁カミーユになじんでいくのかなと思います。

  舞空オランプ  

仕える立場なのに、やはりオランプがヒロイン!と思える芯のある女性でした。従者たちが惚れるのも納得する異次元の可愛らしさと、迫力のある歌と、デュエットの美しさ。期待以上の仕上がりに、大満足な観劇でした。

  礼ロナン  

鞭打ち、焼きごて…。琴ちゃんの演技が素晴らしすぎて、思わずビクッとするくらい痛そうで、こちらが苦しくなります。モンテ・クリスト伯を思い出しました…。

歌は、どれももう最高!お芝居が心に訴えてくるから、歌う曲もすんなり心に響くのだな…と思いますけれど、ああぁ…あのメロディを琴さんが歌っている…なんと素敵な…このレベルの歌をこれから毎公演聴けるなんて…とファンモード大全開でした。

  ショー・客席降り  

最後のフィナーレ。銀橋でデュエットダンスをした最後に、チュッと音が聞こえてきたんです♡ もうね、一瞬で崩れ折れましたよ(笑) これが先生の指示の定番コースなのか、初日のアクシデントなのか、明日からの動向をチェックしようと思います

客席降りについては、ロナンとオランプが逃げる時に銀橋の下に降りるところ、2幕冒頭の通路を通るところ、が解禁になりました。

生前は美女だったに違いない、のところの絡みも健在です!

明日も観られるので、また追記していきたいと思います。

追記。ここまで書いた8時間後に休演の発表があるとは、想像していませんでした。体調不良の方が、少しでも軽く済みますように。

2023年4月10日 (月)

【星組】赤と黒 千秋楽 感想

星組青年館公演、赤と黒を観てまいりました。梅田千秋楽から10日経って観た東京公演は、良い意味で宝塚らしくない、素晴らしいフレンチミュージカルに進化していました!公演期間が短いので、マイ初日が千秋楽の二日前…という状態でしたが、観られて本当に嬉しかった! 

初見はスゴイ!と思うだけで終わってしまった感がありますが、メロディーを覚え、歌詞の意味が入ってくるようになると、今回の赤と黒は「日本を代表するミュージカル」と言えるクオリティであると確信しました。特に冒頭の、仮面を脱ぎ捨てて歌うラテン語の「知識こそが武器」は、琴さんのパワフルで緩急自在な歌唱だけでなく、アンサンブルのコーラスが大進化していました。素晴らしい♡

初日の感想とセットリストはこちらです⇒初日感想

オンブルとジェロニモ

元々のフレンチミュージカルは、歌の合間をプリンシパルの芝居でつなぐような構成なのですが、星組版はオンブルという影の存在を取り入れ、舞台装置を下級生が全部動かしながら、自分も舞台上で息づいているという演出でした。これがまた素晴らしかった。舞台セットもDCよりサイズ感がぴったりなので、洗濯ものを畳みながら中央の芝居に注目しているとか、奥の芝居がよく見えました。

ジェロニモの存在も素晴らしくて、後ろから眺めていたり、オンブルにチャチャを入れたり、自分も登場人物になったり(着替え方がカッコよくて、色気満載♡)、目が足りなかった。

ジュリアンのお芝居

そして何と言っても、ジュリアンの目の芝居が素晴らしかった。

ジュリアンが部屋に行き「何て目で見るんだルイーズ…!」と言っているときの、抑え切れない想いがあふれ出ている目。

遠くを見ているように見えて、何も見ていない虚ろな目。

ヴァルノから問われた時の、刺すような威嚇の目。

最後の断頭台での、悟りを開いたかのような目…。

歌が印象的で素晴らしい公演ですが、一番心に残ったのは琴さんの演技だったんだ…と実感しています。

赤と黒に共感できるか

「未来と今を交換した」と言って死を選ぶジュリアンに、なかなか共感できずにいたのですが、前楽になって初めてその気持ちがスーッと心に入ってきました。

ジュリアンは最初から最後までルイーズの愛を信じたかったのだ…、ただそれだけだったのだ…と。最後にルイーズと想い合っていると分かった。もうそれがジュリアンにとっての生きた意味だったのだと。

マチルドが、レナール夫人がまだ生きていることを伝えた時に、急に涙が出てきたんですよね。そのお芝居にマチルドの苦しみが見えたし、逆にそれを聞いたジュリアンが苦悩から解放されていくのが複雑でした。

ファン目線で

冒頭の「知識こそが武器」は、歌の上手さに感嘆し、何度観ても琴さんのパフォーマンスを見て目がハートになりました。最高!

「光をこの手に」は、ジュリアンが2階で熱唱する前で、暁さん先頭の陣形で踊るダンスにテンション爆上がり!もう声は出せないけれど、心の中で「キャー~~♡ ステキ~♡ カッコいい~♡」と叫んでおりました(笑)

あ…これは梅田ドラマシティの記憶ですが、マチルドの腰に手を当てて下手にはける時、袖の奥に入るまでがよく見えて、奥の光に照らされてシルエットになって、歩き方がカッコ良すぎでした。白いトレンチコートのシルエットが脳裏から離れませんでした。

千秋楽トピック①

マチルドが本をわざと落とすのですが、梅田で本がすくっと立った状態になったんです。それが初日だったように思うのですが、それ以来ずっと倒れていたので、いつか立たないかな~と思っていたんですよね。最後の最後に千秋楽で出ました(笑) マチルドちゃんすごい。

千秋楽トピック②

芸術家になったら?とジェロニモが言うシーンで、ジュリアンが「革命家になら…」と返して、客席は目が点!

え?え?と思っているうちに1789の歌を歌い出し、直立不動で

「次回、星組大劇場公演 1789バスティーユの恋人たち、皆様、是非見にいらしてください!」

と次回番宣する二人(笑) 客席は大喝采で、しばらくざわめきがやみませんでした。私は思わず、ガイズ&ドールズでアデレイドちゃんが次回公演を宣伝して、ネイサンに褒められてキャピキャピ喜んでいた図を思い出しましたよ!同じ人とは…!ですね(笑)

千秋楽トピック③

最後、拍手が鳴り止まなかったので、幕前に礼さんが一人で登場。カテコではジュリアンから礼真琴さんに戻って楽しそうにしていましたが、さらに「琴さん」になってお話してくださったのが、何よりうれしかった。完走できない辛さを経験しているからこその言葉…。まだまだ頑張ってくれそうで良かった。お言葉通り、これからも全力で応援したいと思います。

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2023年3月22日 (水)

【星組】赤と黒 初日感想

星組公演『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』の初日を観てまいりました。一言で感想を言うならば「ロクモの感動再び!」です。

ロックオペラMozartと同じように、お芝居と各主要メンバーの見せ場(歌)が織り交ぜられた典型的なフレンチミュージカル。あらすじは原作通りなので、基本的には宝塚版と同じなのですが、全く別物のように感じられます。

今回、お芝居要素は少なめかな…と思っていたのですが、それはプログラムを見て納得でした。「*場の出演者」という形式ではなく、歌の題名が順に載っていたからです。逆に、「歌の合間が芝居でつながっている」と言った方がしっくりくるかもしれません。(追記:よく見たら、その後に出演者の名前もありました。)

今回、歌唱力のあるメンバーで聴きごたえのある舞台に仕上がっているだけでなく、ルージュ(赤)とノアール(黒)という、愛と死のようなダンサーも舞台を盛り上げていて、見応えのある2時間半でした。

追記:千秋楽の感想はこちら⇒青年館感想

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宝塚版との違い

大きく違うのはジェロニモ(暁)でしょうか。ストーリーテラーとして、単なる説明だけでなく、エリザベートのルキーニのような客席とのつながりも担当しています。初日から何人か釣られていて、客席に笑いが起きていましたね。

ヴァルノ夫婦(ひろ香&小桜)が、ちょっとコミカルな悪役になるのかな。この夫婦が事件のきっかけを起こしていくことになるのですが、ナンバーがとても良い!ほのかちゃん、さすがです。

ルージュ希沙さんとノワールさりおさんが、赤黒ダンサー。 主要メンバーの後ろで踊るダンサーは、主に下級生さんたちが担っています。

あと、今までの宝塚の赤と黒よりもお芝居が少なくなっていることもあり、レナール夫人の愛を最後に知って救われ、自ら処刑に赴く…という部分は、多少分かりにくいかもしれません。でも最後のお芝居要素を含んだフィナーレを見て、何だか救われたような気がしました。

主要メンバー印象

  • 有沙さんが第1ヒロイン役、でしょうか。阿弖流為で組んだ時よりも、二人ともそれぞれに大きく成長しているのを感じました。女性としての魅力がしっかり感じられるヒロインで、さすが!と思いました。

  • 詩さんが第2ヒロイン役ですね。お芝居が素晴らしいと思っていましたが、今回は歌も聴かせていて、実力のある方なんだなぁ…と思いました。

  • 小桜さんが、今までの赤と黒にはなかった悪役側のご婦人ですが、何か憎めないお役(笑) 夫婦の歌も素敵でした。

  • 暁さんが重要な役どころですね。1幕は緊張していたようですが、2幕のナンバーは素晴らしかった。琴さんの歌で男役が踊るところは、暁さんが先頭に立っていたと思うのですが、その場面がカッコよかった。

礼真琴さんの魅力

ここ数年、星組全体の組力として、歌唱力が倍増ししていると思っているのですが、今回のナンバーを聴いて「その中でもさらに大きく飛躍しているのが礼真琴さんなんだ」と実感しました。

私は礼さんの歌も踊りも、下級生の頃から大好きで長いこと応援してきましたが、実は入団当時の歌は「カラオケ」だと思っていました。それが回を重ねるごとに予測を上回り、そのたびに感嘆の思いで聴いていたのですが、今回は「まだこの上に行くのか!」と思ったのです。衝撃的でした。

近年、感情が歌に乗り移ったように感じることも多くなり、その想いがメロディーと共に胸に突き刺さってくるような気がしています。それに加えて、正確な音程というだけでなく、緩急自在な歌唱の技術も進化していますよね。最初、使用人としてのおどおどした青年が、ラテン語で一気に本性むき出しにする歌が、本当に素晴らしかった!

ビジュアルも、今回地毛が素敵で好みですし♡ (右側から見たツーブロックが好みです♪)

まだまだ初日。千秋楽までの変化も楽しみにしたいと思います。

セットリスト Act1

ここからは、たぶんこうだった…という記憶とプログラムを照らし合わせて書いています。琴さんとありちゃんの歌がすごい!ハモリがさすが!と思ったのですが、どれだったか分からず…💦 これは自分の復習用に書き出したものなのですが、次回の観劇後にそれぞれの印象をUpdateする予定です。分かる範囲でフランス版の歌にリンクしていますので、参考にしてみてください。(Mar26 updated)

[S1] 心の声(ジュリアン・ジェロニモ)
プロローグの歌。出演者がそれぞれジュリアンと絡むところが、その後の世界を暗示している。

[S2] 知識こそが武器(ジュリアン)
私の一押し!ラテン語を話してみろと言われた後の歌。初日は、仮面をかなぐり捨て、爆発的な熱さを前面に出したと思っていましたが、中日にもう一度観劇したら、緩急自在な歌に仕上がっていてさらに驚きました!

[S3] 鐘(ルイーズ・エリザ
使用人のエリザがジュリアンを慕い、ルイーズが仲介しましょうと言う場面の歌。このことがきっかけとなり、ルイーズが自分の心に気づく。

[S4] 大切なこと(レナール・ルイーズ)
明るい雰囲気のレナール夫婦の歌。

[S5] 光をこの手に(ジュリアン)
白い十字架バックで、ルイーズを想い歌う。前半に自分の声とのハモリがある。後半、琴さんの歌で、暁さんを筆頭に男役総勢で踊るところが最高!テンションMAXになる場面です。彼女は降伏するだろう、僕の口づけに…。と歌い、場面はルイーズの部屋変わる。

[S6] 愛の言葉(ジュリアン・ルイーズ)
ジュリアンの力強い求愛にルイーズも…という場面の歌。リズムを取るジュリアンの何と格好良いこと!歌が終わると「ロケットは誰」かをルイーズが再び問う。この歌の直前は、理性と戦う貞淑な妻としての会話なのに、この場面になると甘い情事の後の語らいに聞こえる。その差がすごい。

[S7] ブルジョアはなんて素晴らしい(主要メンバー)
ヴァルノ家のパーティで、ジェロニモが歌う曲。下手で赤いシルクハットに変えて出演者となるジェロニモと、上手で髪飾りで髪をまとめるルイーズが見られます。どちらも何だか色っぽくドキドキ。この中に、ジュリアンとジェロニモのデュエットがあります。(私は歌で、あなたは知識で…と歌うところ)

[S9] 生きてきた証(レナール)
二人の仲がレナールの知るところとなった時の歌。

[S10] 赤い花(ジュリアン・ルイーズ)
ルイーズが自分の思いとは逆の行動を取った後の歌。ジュリアンは裏切られたと思い、その心の叫びを歌で表現している。バックは赤いバラ。全体的に赤いライティングで、ロクモを彷彿とさせる場面。

セットリスト Act2

[S1] 退屈(マチルド)
マチルドさんの歌が想像以上に良かった。素晴らしいスタイルと歌で、貴族社会を風刺する。

[S2] 宝石こそ勲章(ヴァルノ夫妻)
ヴァルノ夫妻が、資金の依頼という名目でラ・モール侯爵家を訪れた時の歌。この歌大好き。ほのかちゃん、素晴らしかった。

[S3] 散る花のように(マチルド)
書斎で仕事するジュリアンの元へ、マチルドが訪れた時の歌。マチルド詩さんのお芝居と歌が素晴らしい。そしてこの歌詞は、この物語の最後そのものです。

[S3] 愛か罠か(ジュリアン
マチルドの置手紙を読んだジュリアンが、マチルドの心を読めずに悩む場面。

[S4] 夢物語(ジュリアン・ルイーズ・マチルド)
マチルドの部屋で愛を確かめ合う二人。ルイーズも含めて3人で歌う。

[S6] これは戦い(ジェロニモ)
ジェロニモが、悩むジュリアンに愛の手ほどきをする歌。ジュリアンが、手段としてではなくマチルドを本当に愛してしまい、心が見えない…と悩むが、それなら嫉妬させて本心を語ってもらおうと誘う。

[S7] お前の進む道(ラ・モール)
子供ができたと娘から告げられた、ラ・モール侯爵の父親としての歌。

[S9] 心の奥底へ(ジュリアン)
殺人未遂事件を起こしてしまったジュリアンが、牢の中で歌う歌。

[S10] レクイエム(ルイーズ
裁判で死刑判決が下り、ルイーズが歌う中、処刑される。

[S11] 心の声 リプライズ(全員)
最後のパレードの歌。


週末に観劇できることを楽しみに、今週仕事を頑張って終えて、梅田に向かいたいと思います。

2022年12月13日 (火)

【星組】ジャガービートの楽しみ方

ディミトリの感想に続き、ショーの説明と覚え書きを書いてゆきたいと思います。

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初日の感想

初めて観劇した時の感想は、お芝居が「美しいリラの花が語る異国の歴史」だとすると、ショーは「キラキラな圧で乗り切る、クリスタル色のキラルージュ。齋藤先生のショー!」と思いました。特に中詰めの『マジ、マジ、マジック』は、壮大なスペースオペラという感じで印象に残ります。

プロローグのトゲトゲなお衣装。銀橋での、男役トップのコミカルなお芝居。まさにアイドルな娘トップは、星空イメージの場面では椅子に座っていて…。琴さんの、赤・黒・金の羽根つき豪華衣装は、まさにキラールージュでした。

ただ、プログラムの説明を読んでも記憶の場面とリンクせず、ストーリー仕立ての結末が分からなかったため、上手く感想がまとめられませんでした。

複数回観た感想

ところが、無理にストーリーを理解しようと意識せず、この世界観をありのまま楽しむようにしたら、2回目はやたら楽しくて(笑)

初めて観る方は、以下のポイントだけ抑えていれば楽しめるのではないでしょうか。

① 暁さんに羽を奪われるクリスタ(舞空さん)。その羽を取り返しに行くのがジャガーの礼さん。

② その羽は、最後は花束に姿を変え、クリスタに差し出される。

③ しかしクリスタは撃たれて天国へ…。ジャガーの涙が翼となってジャガーも天国へ行き、デュエットダンスでハッピーエンド。

④ 極美さん以降は、ジャガーづくしの長いフィナーレで、羽は関係ない。

この大筋さえ分かっていたら、後は「星の砂漠を舞台にした、羽をめぐる旅」として楽しめば良いのでは…と思います👍 逆に言えば、数回観てもこれが分からなかった、ということです💦

羽を巡る旅の詳細

ここで、舞台を観ただけでは絶対に分からない各場面の背景を、自分の覚書としてまとめたいと思います。出典は、歌劇・プログラム・Now on Stageです。

◦プロローグ。クリスタルバードは、宇宙を旅する幻の鳥。その羽を侵略者に奪われてしまうが、ほのかちゃん演じるクピドの歌に導かれてクリスタが舞うと、ジャガーが誕生する。

◦プロローグ後半は、「かつて存在した」熱帯のサバンナ。ジャガーの誕生を祝う謝肉祭。

◦ジャガーはクリスタルバードに振られるが、追いかける旅に出る。これだけは分かる笑。

◦ジャングルにあるクラブでは、バファローが翼を手に女を虜に。クリスタはトランプで勝負を挑み、羽を取り返す。だが羽は再び暁マーリンの手に。

◦ある惑星の未来都市で、ジャガーはクラブから出てきたクリスタを発見する。銀橋で、またもやクリスタを見失う。

◦クリスタを探すジャガーは、ロボットサーカスに迷い込む。詩さんは、綱渡りのロボット。心を持ち始めたけど、最後はまた暁マーリンによって、機械に戻される。

◦『鏡に閉じ込められたクリスタルバードを救うために、翼を手にジャガーが鏡の空を駆け巡る』…とプログラムに書いてあるのですが、羽を抱きしめてうずくまっているところかな?

◦瀬央さんのマジマジマジックからが中詰。ここは羽が関わっていない、壮大なレビュー。最後のシーンで居残った綺城さんが、途中で羽を受け取り、白妙さんにつなぐ。

◦ナルキッソスの最後は、アフロディーテが怒って2人を石にする。このシーンの最後に白妙さんが羽を投げ、せり上がってきたジャガーが、羽を花束としてキャッチする。

◦ジャガーは脱走兵。敵国にいるクリスタへ、花束(翼)を届ける。

◦撃たれるクリスタルバード。ジャガーの初めての涙は翼となり、ジャガーも天国のクリスタの元へ。

◦天国で再会したクリスタとジャガーの魂が一つになるのがデュエットダンス。これが羽を巡るお話の結末なのだそうです🥰

フィナーレ

ここからは、星組のショー全開!という感じでワクワクします♡

★極美さん:ジャガー横田さんの愛のジャガー

★瀬央さん:西城秀樹さんのジャガー

★男役総踊りからは、JAGUAR‘13

★舞空さん:Riding High

私はこのフィナーレが大好きです😍特にJAGUAR‘13は、テンションMAXになります💕

明日は千秋楽。大劇場完走をお祝いし、心から楽しみたいと思います!

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