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カテゴリー「宝塚」の644件の記事

2025年4月22日 (火)

【星組】阿修羅城の瞳・エスペラント! 大劇場初日

星組公演、阿修羅城の瞳の初日を観てまいりました。私は映像で一度だけこの演目を見ていますが、既に記憶の彼方…という状態で初日を迎えました。そのため、終演後にプログラムを読んで、これから見る方は知っておいた方がよいかも…と思うことが何点かあったので、少しまとめてみたいと思います。これからの観劇の参考にしていただければ幸いです。

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《作品構成》

お芝居
宝塚としては異色で挑戦的な「新感線」の舞台を、見事に星組メンバーで再現!でも逆に、次期娘役トップが3枚目役、スミレコードすれすれのセリフ、娘役さんが顔も分からないくらいの鬼役、男役スターさんの多くが主演も含めて刀で切られる役、展開は早い(原作を半分の時間にしているため)…ということで、付いていくのに少し覚悟がいる作品。

ショー
逆にショーは王道の展開。ロマンチックレヴューを彷彿とさせるプロローグから始まり、美しいパステルグラデーションのシーン、カーキ色の摩天楼、極彩色の熱いレビュー、青い海と青い星…と、様々なシーンを楽しむことができます。そして後半1/3は、礼真琴さんの退団仕様。

感想
礼ファンとしては、琴さんの色々な姿をもっと見たい!と思いましたけれど、全体的にとてもバランスの取れた構成ではないか…と思いました。

《原作者》

*原作/台本 中島かずき氏、原作/演出 いのうえひでのり氏

*台本を書いたのは40年前。いのうえ氏から「恋をすると女が鬼になる話を」と依頼があり作られた作品。

*この作品は新感線の中でも”家宝”というべき演目で、商業演劇としてターニングポイントになった演目。

*いのうえ氏は「宝塚でやるとしたらこれしかない」と考えており、中島氏も、今回の企画の提案には前のめりでOKを出したとのこと。

*初日をご観劇された後のインタビュー。「非常に満足。宝塚として甦ったことに感動した。”この世でないものを上演する力”や”訓練された所作”が素晴らしく、芝居愛に溢れていた。ぜひ新感線のファンの方に観てもらいたい。」

感想
私はプログラムを読んで、「宝塚側からオファーを出した企画だ」と分かったことは大きかったです。そうか…納得…と思いました。そして、インタビューを見た時に「新感線ファンがこれを観たら、礼真琴さんにはまるのでは?」というお言葉は、礼さんのパフォーマンスに満足した証ではないかと感じて、素直に嬉しかったです♪

《時代背景・鬼》

*時は江戸。鬼と共存している世界で、鬼御門(おにみかど)が鬼を退治している。

*鬼御門の頭領が安倍晴明(あべのせいめい:ひろ香)で、副隊長が邪空(じゃくう:極美)

*鬼の頭が美惨(びざん:小桜)。鬼の魁(さきがけ)という名前ですが、かしらという意味だそうです。

感想
鬼は、覇気迫る演技で圧倒されます。鬼御門の面々の殺陣も素晴らしい!

《ヒロイン つばき : 暁》

*5年前からの記憶しかない女性、として出門(いずも・礼)の前に現れる。

*肩に、椿の形をした謎のあざがある。

感想
私は一度、映像でですが2003年版の阿修羅城の瞳を見たことがあります。その時の天海さんが主演の市川さんよりも背が高かったこともあり、暁さんのヒロイン役はイメージ通りでした!→ 『阿修羅城の瞳 2003』 

全ツのグランカンタンテ初日は、暁さんが星組に異動されて初めての公演でした。そこで暁さんが女役として琴さんとデュエットを踊った時の、緊張で引きつった顔が忘れられません。でもそこから時が経ち、今回琴さんの横に立つ姿は、きりりとした色気があって美しい。そして最後の「闇の女王」感も見事でした。

《主演 病葉出門(わくらば いずも):礼》

*出門はもともと鬼御門で、「鬼殺しの出門」と称されていた。

*幕開き冒頭の事件がきっかけで鬼御門を去り、鶴屋南北(つるやなんぼく:美稀)の一座で5年過ごしていた。

感想
筋肉質のふくらはぎを、何度も拝めます…(笑)おみ足に目は釘付け♡。…というのはさておき、こんなにも早口でしゃべっているのにセリフが全部頭に入ってくる!すごい!と思っていたら、専門家(ナレーター)の方が「活舌が神」と表現していらっしゃいました。さすがですね。また、殺陣をつけた清家先生が礼さんを称賛しているそうです。宝塚の殺陣は今まで剣舞に近いものがあったと思いますが、今回はまさに殺し合いの「殺陣」(*_*;。本当にすごい…。

退団の最後の最後まで、一瞬たりとも気を抜けない演目だと思いますが、まずは無事始まったことに安堵いたしました。8月の卒業まで駆け抜けられますように。個々の場面について詳細が書けるようになったら、また別記事で感想を書こうと思います。

2025年1月22日 (水)

星組 武道館 ANTHEM-アンセム- 感想

礼真琴さんの武道館公演。初日から全公演、観てまいりました。礼さんが「最初は、席が埋まらないという夢を見るほど心配した。」とおっしゃっていましたが、終わってみたら4日間5公演、全てが大盛況でお祭りでした!

前半のJPOPは"これぞ武道館"という内容で、「これからの礼真琴の無限の可能性」を感じる構成となっています。ここに「今までの礼真琴」として、後半にダークな男役の歌を集めた構成が素晴らしいと感じました。これこそ、退団前にしかできない曲ばかり…。ほんと最高❣️❣️

ムケーシュの指先から炎が上がり、雪が舞い、武道館全体がきらめく星空となり、そしてその洗練された空間の中に浮かび上がる、礼真琴さんの美しいこと…。繊細で力強い歌声と大迫力の音楽は”極上の武道館ライブ”であり、”宝塚史に残る名コンサート”だったと思います。

私はJ-popに疎いので、最初”スタンディングライブ”に慣れるのに少し時間がかかりましたが、千秋楽はどの場面も大感動でした。その軌跡や印象の変化などを書き留めておきたいと思います。

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初日(状況把握の回)

稽古場情報から、J-popが何の曲か判明したので予習したかったのですが、なかなか時間が取れないまま初日を迎えてしまいました。その上、武道館は千鳥配置でないので、センター寄りで前の人が大きいと何も見えないのです。アリーナにいながら、モニターでアップのお顔だけ見て、舞台上で何をやっているのか分からなくて、曲は素敵と思うものの歌詞まで頭に入ってこなくて…。それでも、『タマシイレボリューション』と『流星』は圧巻!と思いましたし、大感動でした。

座って見る時間になって、やっと一気にその世界に引き込まれ、今までの軌跡に涙…。そして何と言っても『最後のダンス』が最高でした!この曲を琴さんトートで聴きたいからエリザを星組で…と願っていた私にとって、これだけで全てが昇華されたような気持ちになりました…。ロックなのに繊細な最後のダンス。これぞ琴さんの真骨頂!と感じましたし、『礼真琴の最後のダンス』と思いました。

そしてプログラムに載っていないアンコールは『星を継ぐ者』。この題名を聞いた時は、思わず小さくガッツポーズをしたほどでした。この武道館公演で取り上げられた曲は一貫して『自分を信じて一歩踏み出して』というメッセージがこめられていますが、「思い入れの深い曲だけれど、卒業を決めた今だから挑戦します」という言葉を聞いて、琴さんご自身が一歩踏み出したのだな…と思いました(泣)

日曜昼・夜(構成に感嘆!:夜は配信)

J-popコーナーを把握すべく、短い時間の中で歌詞やメロディーを確認しながら、復習して臨んだ日曜日。もう何というか…。畳みかけるような礼さんからのメッセージが心に響いてきて、そうか…そうだったのか…と涙が溢れて止まりませんでした。J-pop最後のECHOは特に、歌詞も曲も最高!心揺さぶられる曲ですね。席も、45度方向の後ろ側だったので、舞台も花道もよく見えて、やっと「武道館コンサートを楽しんだ」回となりました。

そして、星組メンバーも最高のパフォーマンスに挑戦してきていることが見えて大感動…。特に、礼さんの今までお役の衣装を他のメンバーが着て振り返るコーナーは、それぞれに見せ場があるというだけでなく、はっきりと進化の見える仕上がり…。ほんとすごい!と思いました。

その場面を見ていたら、完全自粛中もお手紙を書き続け、ほぼ全ての公演でコロナ中断という困難な時代をついていった記憶が、走馬灯のようによみがえってきて…(泣)。礼さんが宝塚ニュースで、このコーナーは今まで応援してきてくれたファンに届けたい場面とおっしゃっていましたが、もう大号泣モードに突入してしまいました。そして、それをVIOLETOPIAとして振り返るとは何と粋な演出! この場面のためのショーだったのかと思うほど最高でした🥹

その次のダークサイドは、ムケーシュもスカピンも、クオリティが当時とは比べものにならないほど完成していて鳥肌が立ちました。男役の色気とその完成度に、私のテンションは爆上がり(笑)! 特に、出演者全員のマダムギロチン❣️もう、これだけを見るために武道館に通える!と思うほど素晴らしかった❣️

アンコールの最後の題名が思い出せずにいたのですが、それが『The Greatest Showman』の『This Is Me』と分かった時、琴さんの(アンセムの)メッセージはこれなのね…!と、全てのピースがはまった気がしました。”自分を信じて前に踏み出そう”、”これが私。唯一無二の私。自信を持って!”と…。

キラキラ金テープが降り注ぐアリーナで、笑顔で踊り歌う皆様を大きな手拍子で応援できたこと。本当に幸せな…、感謝してもしきれない程の幸せな瞬間でした。

月曜夜ジェンヌ総見の回:配信)

夜まで時間があったので、仲の良い観劇仲間と「成都」という中華に行ってきました(95期生徒さんの実家だったお店です)。沢山のサインを見ながらヅカ話に盛り上がり、お腹いっぱい食べたあと夜公演に向かいました。

3日目になると武道館にも慣れてきて、スムーズに着席していたのですが、どこからともなくどよめきが…。気づくと、前日に千秋楽を迎えた花組メンバーが歩いていて、月組さん、星組にぎたつチーム、 OGの方々、下級生さん グループ、そしてちえねねコンビ!どこを見てもタカラジェンヌ&元ジェンヌさんばかりでした!

MCのコール&レスポンスで、男性~!イェーイ、女性~!イェーイ!、までは普通だったのですが、そのあと「タカラジェンヌ~!」「ぅお~~~!」と歓声が沸きあがるのがすごかった!多いとは思っていたけれど、ここまでとは!(笑) おとなしいヅカファンがおしとやかに歓声の声を届けていたそれまでの回とは違い、タカラジェンヌグループの歓声は、公演通して迫力満点でした(笑)

千秋楽 (BD収録回)

セットリストが頭に入った状態の千秋楽は、もうどこをとっても感動の嵐でした。しみじみとそのメッセージを感じ、この素晴らしい圧巻の公演をありがとう!感謝!…と思いながら、手拍子とライトで応援しました。初日に心に残った曲と、今日楽しみにした曲が全然違ったのですが、『マダムギロチン』と『This Is Me』は、ホ~~ント最高❣️

千秋楽のご挨拶後、武道館メンバーへ感謝の言葉を言おうとして詰まる礼さん…。ぽろぽろ泣いているメンバーを見て、こちらもウルウルでした…。

幸せに包まれた千秋楽を迎えた今、言葉に表せないほど素晴らしいコンサートに感謝の気落ちしかありません。スタイリッシュな演出効果、美しい琴さん、キレキレでカッコいい男役さんのダンス、可愛いだけでない芯のある星娘たち、こんなに見るだけでも眼福なのに、圧巻の歌声と腹に響く音楽はライブならではの迫力。自分もリズムに乗ってライトで参加して、毎日最高の体験をさせてもらいました。星組最高!礼さんありがとう!

2024年12月 1日 (日)

記憶にございません! 東京千秋楽まで

今日は、星組公演『記憶にございません!』『ティアラ・アスール ディスティーノ』の千秋楽でした。初日の感想をアップして以来、今日までブログを書けなかったのは、やはり途中で礼さんの退団発表があったからだと思います。そこでこの記事では、大劇場公演⇒サヨナラショー⇒東京⇒大千秋楽まで、経過を追って記録しておきたいと思います。

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大劇場遠征

この公演が始まったのは猛暑と台風の8月。始まった頃の感想はこちらで、初めて観劇される方へのヒントになるような構成にしています。

記憶にございません 初日

この記事をUpした後、新幹線の運休で日本が分断された週に、夏休みを取得して宝塚市に滞在していました。公演じたいはとてもとても楽しく幸せな観劇でしたが、礼さんの退団を示唆する発表が続いていたので、やはりどこか心穏やかではありませんでした。

それだけでなく、宝塚市に滞在するときにお世話になっていた家族経営のホテルの閉館が決まり、その大劇場千秋楽はオーナーのご夫妻との別れの日でもありました。次の遠征が私の最後の大劇場遠征になると確信していたこともあり、かなり感傷的な気持ちになっていましたね…。

写真はカフェめぐりをした時のものです。汐美まほさんとお話する機会もあり、宝塚市を堪能した夏でした♪

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大劇場サヨナラショー

舞空さんのサヨナラショーは、星組の娘役トップとしての軌跡を綴ったもの。舞空さんのディナーショーのトークで「礼さんとのデュエットは礼さんと歌う」とおっしゃっていたので期待していたのですが、本当にどれも心揺さぶられる内容でした。

でも同時に、リアルタイムに応援してきたからこその辛さも思い出してしまって…。Ray と ロミオとジュリエットは緊急事態宣言で中断。王家に捧ぐ歌(後半のみ)、Gran Cantante!!(全ツ)めぐり会いは再び(GW)、ディミトリ(正月)はどれも突然の休演がありましたので、当時の悔しさ・再開の喜びなどが一気によみがえりました。よくここまで試練を乗り越えて踏ん張ってくれたな…今まで、素敵な公演をありがとう…と思い、涙・涙…でした。

東京公演

そんな不安な気持ちも抱えた大劇場遠征とは一変し、東京は楽しく観劇することができました!東京までの間に気持ちの切り替えが終わり、最後の日に向けて全てが動き出したような感覚です。

途中、現実世界の政治にも動きがあり、景星党があったらいいのに…とか思ったりもしましたが、架空の世界を楽しみ、ショーは益々盛り上がるカルナバルに一緒に参加している気持ちになり、最後はトップコンビのデュエットに神聖な時間を感じて、本当に素敵な観劇をさせていただきました。

ここでは、初日には書けなかったツボや、変化した感想など箇条書きにしておきたいと思います。

記憶にございません!

* プロローグの献金マンボ最高♪ カッコよく真面目な顔して『タコダンス』をしているので、♡の目で見るべきなのか、笑うべきなのか、迷う。

* 現実の衆議院選挙当日、もう行くのめんどくさいな~と怠け心が勝ちそうだったのですが、頭は田原坂の「選挙に行こ~う♪」の歌が流れ、ボニータの「この人だけを落選させたい、って人を選ぶ」という言葉に推され、選挙に行ってまいりました…💦

* 銀橋に登場する聡子の美しいこと…♡ 啓介の「タイプ」という言葉に納得。

* 前半の井坂さん、大劇場より東京の方が、現実に居そうな”嫌な秘書”になりましたね。後半の、変化した総理に付いていこうというところが見えるようになったと思います。井坂さんのクールな眼鏡姿も素敵ですが、殴られたあとの笑顔がまたよいです。

* 何で2.3%の支持率なんだろう…と思っていたのですが、「スーパー銭湯≒数パーセント」に思い当たった時にスッキリしました☺

* 聡子No1の時、カンペに書いてあるアドリブが楽しかった!(あの二人あやしいとか)

* レストラン場面最高!何度見ても笑いました。

* 小野田っち最高!この場面がなかったら、このお芝居の「コメディ」感が半減したと思います。本当にすごかった!

* 聡子の、「~生き埋めにされそうになったことも?!」というシーン。これだけで泣いてしまった…。

Tiara Azul -Destino-

* 洋風チョンパ最高♡ 舞空さんがセンターで引き連れているのも素敵♡

* 初見の方と観劇後にお話ししたのですが、このショーが「祭りの1日」を描いたものだと分かっていなかったようです。かな~り平たく意訳するとこんな感じ。

『カルナバルの朝、イグナシオ(ありちゃん)とルカ(琴さん)がフラれた状態で物語が始まる。水たまりがキッカケで”琴なこ”がカップルになり、洋服を見繕ってカルナバルの本番へ。祭りの後、イグナシオはやけ酒タンゴを踊る。夜明けの”琴なこ素足デュエット”のあと、フィナーレへ。』

* カルナバル本番が最高!客席の手拍子が熱いですね。自分もメロディーを体で感じながら手拍子しているのですが、自分も祭りに参加している気分になります。パンチ、パンチの振りが大好き!星組最高!

* カルナバルが終わって、銀橋で二人で歌うデュエットは素晴らしいハーモニー。歌詞も退団を意識した内容で、毎回かみしめながら聴いていました。

* やけ酒タンゴのシーン、ありちゃんがカッコいいいのはもちろんなのですが、詩さんと水乃さんのキス回に遭遇したときは、おおっ♡となりました♪千秋楽もありましたね!

* 大階段の男役群舞は、エレキギターでテンションMAX!げんこつドンドンで、完全崩壊しています(笑)

* ことなこデュエットは、白い素足の場面も、ディズニープリンセスの場面も、どちらも大感動…。初日の感想で書けなかった「銀橋でティアラをつけるシーン」は「ティアラアスールという題は、この場面を作るためだったのか!」と思いました。どちらのデュエットも多幸感に包まれる名場面です。

東京大千秋楽

そして本日の大千秋楽。すっきりと晴れた初冬の一日となりました。どの場面も、千秋楽アドリブを突っ込んできた星組生、さすがでした!思い出したら後で追記します!

* 聡子No1のカンペ、「聡子さんがファーストレディで良かった」

* 北海道の署長さん、「わしもSPになる!」(意味のみ)

* 南条さん、「切手代も上がって、推しに手紙も書けねぇのに、あんたら、55回の庶民ネタ、送ってくれてありがとうよー」

* 南条さんへ啓介、「萩の月をありったけ渡して!」「あれ意外と賞味期限短いので…」

* 啓介・番場・野々宮:K2プランの話の前、腕を組む

* ルカ(礼)「あなた、芝居もショーも、お金ほしがりすぎ!」(長いレシートの場面)

東京サヨナラショー

”ディミトリのデュエット曲がサヨナラショーに合うだろう”ということは、当時からファンの皆が感じていたこと。是非この曲を入れて欲しいと、願っていました。でも本日、当時からさらに成長した二人のデュエットは「神回」と思えるくらいに素晴らしく、今までの軌跡を感じられる素敵な場面でした。舞空さん、そして退団の皆様、ご卒業、おめでとうございました。

2024年9月23日 (月)

礼真琴さんの退団発表

礼真琴さんの退団が発表されましたね。公式はこちらになります。写真は最大の推し活、台湾遠征です。

◇ 星組トップスター・礼真琴 退団記者会見

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私が初めて礼真琴さんに魅了されたのは、梅田のロミオとジュリエットの「愛」。タカニュの初日のニュースを見て、この公演はどうしてもこれは観ないといけない!という思いに駆られて、急遽遠征した演目でした。

その後、歌の上手さに圧倒されたのがオーシャンズで、将来この人が中央に立つところを観たいと思ったのがロミオとジュリエットの新人公演。スカステの放送で見て、生で観劇できなかったことを、これほど悔やんだ公演はなかったです。

それ以来、ずっと応援してきた方が卒業する。

退団の時期をファンに分かりやすく示唆し、手順を踏んだ退団発表だったので、心の準備だけでなく、来年のホテルの手配などもかなり前に済ませていました。それなのに、いざとなると数日前から細かい失敗が続き、携帯を落としかけたり、段差に気付かずに脛が流血状態になったり、自分で自覚する以上に上の空だったのだろうな…と思います。

千秋楽の前日のことですが、チケットの取れていない公演の時間帯に、ホテルで静かにREACHの歌詞をかみしめながら聴いていました。ところが、

「君が寂しくないように歌を届けよう」「この世界が終わる前に…今、私のできる全てを…」

という歌詞を聞いたらもう耐えきれず、それ以上聞けなくなり再生を止めてしまいました。BDのインタビューで、「早くこの歌をファンの皆様の耳元に届けたい」とお話していた声が脳裏によみがえり、これが礼さんからのメッセージか…と実感したのです。

それほどまでに動揺していた私でしたが、本日16時の発表を聞いたあとは、新感線の動画配信(退団公演になる予定の演目)を観たり、家事をしたりして、普段を取り戻した気がしています。

何と言うか…。悲しい・寂しいというよりも、トップ在任期間の苦難の道のりを考えたら、本当によくぞここまで踏ん張ってくれた…という気持ちが一番でした。昨日のサヨナラショーで泣きまくった私でしたが、今日は涙も出なかった。それよりも感謝の気持ちでいっぱいで、今まで本当にありがとう、最後までついてきます、という気持ちになったのです。きれいごとのように聞こえますが、数日前と全然違う気持ちとなったことに、我ながら驚きました。

自分の長かった社会人生活も、ほぼ同時に終わりになるはずの来年8月。その先は未定ですが、悔いの残らないよう応援していきたいと思います。


備忘録として、1か月前からの退団フラグをまとめておきます。

8月23日 武道館の発表

「退団直前コンサート」と受け取った。

8月23日 トップ娘役不在を発表

「舞空さん退団後、礼さんの在任期間は長くない」と同義に感じた

9月9日 REACH発売

どの歌も、退団を意識してのファンに向けたメッセージと受け止めた。リーチという音も、「上がる一歩手前」という意味に感じた。

9月17日 次の演目は新感線

礼さんが大好きな劇団とのコラボということで、これが退団公演だと思った。

9月20日 2025カレンダー

琴さん1月。暁さん8月。これで確定。

9月23日 公式に退団発表

9月24日 退団会見

 

2024年8月28日 (水)

【星組】記憶にございません・ティアラ アスール 大劇場初日

初日から何度か観劇できましたので、簡単に感想をまとめておきたいと思います。ダメ総理の更生も、W不倫の回収も、総理友人のコメディ感も、どれもとても良かったです!

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記憶にございません

いつもの私は「逆転裁判を見るなら、ゲームをコンプリートしてから…」というタイプなのですが、今回はあえて映画未履修で初日に臨みました。8月から12月までの公演期間、一回くらい「初めての人が見た感想」を体験してみたかったのです。

あらすじは映画と同じなので多少ネタバレしますが、観るときのツボはできるだけ損なわないように感想を書いてみますね。

選挙ポスター

初日開演前。緞帳が上がって「記憶にございません」の文字が映し出された時に、客席から笑いが起きました。それは両脇に選挙ポスターが張り出されたからでした。インパクトあったのはローラさんかな~。どうぞ、各議員(ジェンヌ)さん一人一人が趣向をこらした、キャッチフレーズの数々をお楽しみに♡

開演アナウンス・プロローグ

そして聞こえる議長と総理の声。嫌味な総理の場面は少ないので、低支持率の総理をこのアナウンスで楽しんでいます(笑) そしてプロローグは、銀橋に並んだ皆さんが、あまりに原作に忠実で誰だかわからないほどでした!余興に徹するタカラジェンヌを垣間見るというか、ひろ香さん、輝咲さん、天希さんから目が離せなかった(笑) 今も、献金マンボの曲が、頭から離れないです♪ 

投石後、記憶をなくした総理

記憶をなくした状態で電話に出る場面は、VERDADの出来無杉くんを思い出します。議員さんたちのダンスに半拍遅れで踊る場面は、とても難易度高いと思うのですが、本当に「周りを見ながら踊っているてい」なので、すご~~いと思っています。

総理サポート側の人たち

井坂(暁)さんのクールな役作りがカッコよいです。W不倫の状態で始まりますが、”今の立場を利用する”だけで悪役ではなく、RRRとはまた違った信頼関係が見えて納得でした。聡子さんの番組では、「ありちゃんゆかりの公演」にちなんだ演出があるので、それも上手く入れ込んだなぁと思いました♪

番場(詩)さんはとても大きいお役で、記憶をなくした総理につきっきりでサポートしています。ピンヒールがとてもお似合いで、お芝居うまいですね。ホテルの予定を告げる場面では、毎回笑わせてもらっています。

古賀(蒼舞)さんがSP筆頭にぴったりで、その熱い演技がまた楽しい!

あ、執務室の歴代総理の額は、、星組トップスタースチールだと思います。前の列でも顔は見えませんので衣装で判断するしかないのですが、謎解きもお楽しみに。

どっちつかずの立場のひとたち

古郡(極)さんは、ゲスな感じを原作より抑えていますね。ブン屋は敵視の私ですが、何か納得させられてしまう役作りです。やっぱりイケメンは違う(笑)。

山西(小桜)さん、W不倫相手ではありますが、サポート側にもなるお役。ロングヘアがよく似合いますね!舞台上でのお着替えシーンも、S〇っぽい場面も、ほのかちゃん本人に品があるので、お色気が笑いになっていてさすがでした。総理が迷える姿も可愛くて、いつも笑ってしまいます。

敵対側の議員

鶴丸官房長官(輝月さん)は、一人完全な敵役を担っています。でも映画にはなかった最後が付け加わったことで、それも緩和されたというか、この人の将来もまた変わるのでは…という希望のある終わり方でした。

家族(妻 聡子, 息子 篤彦)

息子君、笑いのタイミングが素晴らしい!レストラン場面は毎回笑います。

聡子さんは美しくて、出てくるたびに「星の娘トップは最高」と思います。そして最後の「舞空瞳の台詞」に泣き笑いでした。とにかくこれに尽きる。もう記憶が走馬灯のようによみがえってきて泣きました。これ以上は書けないので、是非舞台をご覧になってくださいね。

次回は、笑いのツボも含めて報告したいと思います。

ティアラ・アスール

前半は、アルゼンチンを舞台とした熱いカルナバル(祭り)、そして後半1/3は「舞空瞳さよならショー」という構成に感じました。一言で感想を言えば、「この題名は、デュエットダンスのラストシーンを作るためだったのか!何という愛!素敵な構成!」(泣)

初日時点では、前半は楽しく踊っているな~というだけだったのですが、プログラムで歌詞を読んで感動…。舞空さんを送り出すために作られたショーなのだ…と実感すると同時に、そのデュエットの美しいハーモニーが脳裏によみがえってきました。

そして朝4時半、ふたりだけの夜明けのシーンは、礼さん・舞空さん二人だけの世界。青い背景に白いお衣装で、はだしで踊る二人の姿はまさにサヨナラショーですね。きっと後の「こだわりセレクション」などでピックアップされるだろう、名場面です。ロミジュリのデュエットでも高度な技を披露していましたが、今回の場面は、技術に裏打ちされた”しなやかな美しさ”があり、自由で、のびやかで、すべて乗り越えてきたコンビの信頼を感じます。本当に毎回ウルウルです。

その後の男役群舞は、礼さんが先頭の時も、そのあとの暁さんが率いた時も、星組らしくて本当に格好良いです!あぁ、この組を応援していてよかったと思うほど素敵です♡

そして舞空さんが大階段に一人で立つシーンは、白いドレスで、ディズニープリンセス。そして礼さんがせり上がって、デュエットのラストの演出…!もう、この図が見られただけで満足!と思うくらいに素敵です♪

 

今はこのくらいでしょうか。各場面が見分けつくようになったら、また報告したいと思います!

2024年6月17日 (月)

【星組】BIG FISH 千秋楽

ビッグフィッシュ千秋楽の観劇が叶いました。

ただ…。千秋楽が近づいてくると、冷静に観ていられない自分がいました。考えてはいけないと思いつつ、こんなにも毎回泣いてしまうほど素晴らしいと感じる公演が、映像どころか音源すら残らないなんて…と思ってしまって…。

舞台を目に焼き付けなきゃ…。曲を覚えなければ…。という気持ちが先行し、覚えきれない…と半パニック状態。そのため前日夜中まで、今ある情報を集めて自分のメモを作り、お話を頭で再現できるように必死になっていました。

でも今朝は、版権のことは忘れ、この世界を満喫するぞ!という意気込みで出かけました。そして、最高のパフォーマンスで彩られた、大感動の千秋楽。本当に素晴らしかった、見届けられて良かった…と思っていたら、カーテンコールで「熟考した結果…音楽配信決定です!」との報告が!!!

もうね。着物着てたのに、ガッツポーズで歓声上げましたよ!そして号泣モードに…。

今まで感想を書きたくでも何で書けなかったのか、自分の気持ちがやっとわかりました。ブログに記録することで、もう観られないことを感じてしまうのが嫌だったんでしょうね…。著作権交渉をしてくれた劇団に感謝です!

2幕の「ドラゴンと戦え」「屋根はいらない」「終わり方」の3曲があれば、私はそれだけで幸せです。こんな嬉しい気持ちで千秋楽を迎えられるなんて夢のよう…。素晴らしい舞台を完成させ、それを完走してくださり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。配信楽しみにしています。

あ…一つライトの記録。

魔女探しの懐中電灯の光が、2度私をかすめた♡ そして最後。サンドラから受け取った石を天国のエドワードが投げるところ。水切りのピンスポを浴びた♡ 何だか嬉しかったので覚え書きです。

写真は、水仙のつまみ細工。今の時期、水仙グッズを見つけるのは至難の業だったので、毎晩夜な夜な作っていました。その記録です。

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2024年4月 4日 (木)

ヅカファンが考えるRRR好評の理由

星組公演RRRの千秋楽が、間近に迫ってきましたね。今回、様々なバックグラウンドの友人から感想を聞く機会があったのですが、テンションに違いはあっても、好意的な感想がほとんどでした。これって近年まれにみる現象だと思ったので、つらつらと考えてしまって…。それで今日は「ヅカファンである」私が思う、成功の理由を考えてみました。理由は大きく二つ。

  1. 脚本の落としどころ
  2. 総合芸術としての実力

今日は、それについて書いてみたいと思います。

脚本

基本的に、映画の日本語字幕がセリフとして採用されており、RRRファンが「ここは入れてほしい」と思っている場面が取り入れられたことで、「原作へのリスペクト」を感じることのできる内容だったと思います。

ただ原作は「反英植民地闘争の歴史」を題材としているので、筋骨隆々で屈強な男性が力で抗うシーンが多く、映画では戦いそのものが一つの魅力となっています。そのため、原作を忠実に再現してほしかったファンから見ると、舞台は物足りなさがあったようで、直接的な言葉でそれを語った人もいれば、「宝塚は華麗だと再認識した」とぼかして伝えてきた人もいました。

ただその「力で抗う」部分については、私にとっては「何度も見たくはない」と思った残虐シーンそのものなんですよね…。映画はフィクションとはいえ、差別や抗争は現実に存在した歴史。それを避けてはいけないと理解はしていても、大画面で辛い場面が長時間続くと圧倒されてしまい、物語の流れがつかめなくなっていたように思います。感受性の強い友人は、全編見られなかったと言っていました。

女性ファンの多い宝塚でRRRを上演するにあたり、血なまぐさいシーンがカットされたことで安心感が生まれ、この映画が伝えたい趣旨がストレートに伝わるようになったのではないかな…と思っています。ある日の幕間のことですが、後ろの席のRRRファンのカップルが「俺、このコンパクトさは気に入った。原作が凝縮されているね。」と話しているのが聞こえてきて、それがとても印象に残っています。また、宝塚で上演すると「愛」に傾きがちですが、ジェニーの立ち位置とジェイクの改変も、納得できるものでした。

そんな両極端のファンが納得できる脚本になっているのが、このRRRが成功した一番の要因ではないでしょうか。原作へのリスペクトと切り取り方のあんばいが、秀逸だったのでしょうね。

総合力

RRRの上演が発表になった時、宝塚でやるなら星組だよねと納得した方は多いのではないでしょうか。トップコンビとNo2が宝塚屈指のダンサーで、主演の歌唱力は誰もが知るところ。実際公演が始まってからも、アカデミー歌曲賞となったナートゥは、皆が期待する一番華やかな場面になっていますし、「コムラムビームよ」で立ち上がる民衆の場面は、初めて宝塚に接する方に一番響いた場面になったようです。「歌・ダンス・芝居は、それぞれ職業として成り立つ分野なのに、それらが全部素晴らしいことに驚いた」という感想を多く聞きました。礼さんの演じる素朴な森の勇者と、暁さん演じる知的な英雄の完成度は、ブラボーと言いたい仕上がりですよね。

ただ、それだけだったらここまで反響はなかったと思うのです。

幕開きのWATERRR、マッリの歌声、火事シーンのFIRRRE、Dostiを歌うSINGERRRなど、どれも効果的で素晴らしい。ビームの仲間やラーマの叔父など、主演を囲む役者の個性も光っていますし、スコット総督夫妻をはじめとするイギリス側の傲慢さの匙加減も絶妙だと思いました。森の最終決戦の弓矢の光や、火事シーンの光の演出など、舞台装置や効果音の斬新さも素晴らしく、どれが欠けても魅力は半減したはずです。

前の方で見た時は、舞台各所で組子全員が生き生きと演じているのが伝わってきましたし、後ろから見た時は、舞台照明や光を使った演出のすばらしさに見惚れ、2階から見た時はオケボックスの熱気まで見えて…。まさに総合芸術なんだな…と思いました。

まとめ

この数年、突然休演になることが続いていますので、今回のRRRがここまで上演できたのが奇跡のようです。でもそのおかげで、沢山の友人に観てもらえて本当に嬉しかった。あと3日、完走できますように…と祈っています!

2024年1月29日 (月)

【星組】VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)

2024年幕開きの星組公演『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』『VIOLETOPIA』が、大劇場にて大絶賛公演中です。お芝居のRRRが適材適所な配役で、ストーリー展開や映像や光を上手く使った演出で話題となっている反面、ショーの方は私が1回で感想が書ける状態にならなかったので、千秋楽遠征前にショーの感想をまとめておきたいと思います。RRRの初日の感想はこちらです。

RRR 大劇場 初日 感想 (ヅカファン目線で)

今回VIOLETOPIAを観て痛感したのは、「私が礼さんが出演されるショーに期待するのは、”男役らしい客席サービス”なのだ。」ということです。それは直接ファンを釣るということではなく、例えば「私に歌ってくださっている❤」と思えたアシナヨ席。2階のセンターに近い席からオペラで見ると、涙が止まらなかったのを覚えています。グランカンタンテのボニータは『色気あるダンス』で悩殺でしたし、モアーダンディズムは「男役としての色気を学ぶ」ことがミッションだったので、客席にアピールする場面が沢山ありました。

VIOLETOPIAの初日、妖しい不思議な世界観であるとは聞いていましたが、「またフード付きの悩める青年か…このような役が多すぎでは…」と思ってしまって、”次の場面こそ…”と期待しただけで終わってしまったんです。本当にもったいないことをしました。

そして観た2~3回目。内容が分かってから観た時の世界観は全く違いました。一幕のお芝居は、異国の熱気で客席を興奮の渦に巻き込み、そして2幕ではしっとりと歌とダンスを楽しむ…。そんな組み合わせっていいな…と思ったんです。

その視点で観ると、妖しいゴシック的な世界観の中で、礼さんの細部までこだわった歌とダンスが堪能でき、近未来的なフィナーレも楽しめるショーなんですよね…。ストーリーは『劇場にまつわる記憶。悩める青年が最後に悟りを開く。』くらいで、各場面を楽しめばよいのだと思いました。

特に客席降り!礼さんのトップお披露目公演は客席降りのあるショーでしたが、一か月たたないうちに緊急事態宣言となり、4か月後に再会したときには中止となっていました。それから4年。やっとタッチも可能な客席降りのショーが復活して、本当に感慨深いです。

2週間離れた今、もう一度観たい!と思う場面は、サーカス、シャンパン美女、大階段の男役総踊りでしょうか。あ…、舞空さんの男役っぽい恰好がなんとも素敵で、「この姿を見せてくださり、ありがとう!」と思いました♡

今度の週末は、約3週間ぶりに遠征予定です。どう進化したのか。自分の見方がどう変わったのか。そんなところも含めて、一つ一つの場面を楽しみたいと思っています。

追記

現在、東京公演中です。今はこのショーも存分に楽しんでおります。

ただ一時期、自分の心が疲れていた時にこのショーを観たら、闇に取り込まれる感覚になったことがあるんです。特に狂乱の場面は、迫ってくる無数の顔、自分(孤独)が映し出される多数の盆を見た時、"恐怖"すら感じました。

その時、「ちょっと怖い」という感覚を楽しめるのは、心が健康で幸せの証かも…と思ったんですよね。そんなことを考えるくらい、このショーは受け取り方が個人で違うようです。今では「何で怖かったんだろう…?」と思っています。

それどころか、大劇場の客席降りで「指差しファンサ」をいただいてからは、印象が180度変わりました♡ 握手できる近さで、じーっと目を見て(あなたに…)とゆっくり指差しファンサをしていただいた時は、その後の記憶が飛んで、もうこのショー大好き~となった私。我ながら、何と節操のない…(笑) 

2024年1月12日 (金)

【星組】RRR 大劇場初日感想 (ヅカファン目線で)

大劇場で始まった星組公演 『RRR × TAKA"R"AZUKA 』『VIOLETOPIA』の初日を観ることが叶いましたので、"星組ファン目線"での第一印象をまとめておきたいと思います。

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映画で事前準備

本公演は、大ヒットしたインド映画RRRを、ビーム目線で描き直したミュージカル作品。ヅカファンにとってインド映画といえばオームシャンティオームですし、 RRRのナートゥダンスがアカデミー賞を受賞したこともあり、映画を見る前は明るいイメージの内容を想像していました。

ところが、映画館でショックを受けた私…。三時間のほとんどが、戦い、血、拷問、差別でした。イギリスの植民地支配からの独立運動を描いた作品ですので当然と言えば当然なのですが、生々しい描写に圧倒されたまま終わってしまったように思います。

見た後に知ったのですが、ラーマとビームは実在の英雄で、「その2人が出会っていたら」という想像の話であり、ナートゥは「差別にダンスで立ち向かう」、全編通して唯一明るいシーンだったのですね。そのため、初日を観る前は、

*三時間の内容を半分にするために、どのような切り取りをするのか。

*拷問シーンはどこまで再現するのか(危なくないのか)。

*あの筋骨隆々な俳優さんが膝を痛めたナートゥダンスを、毎日公演して大丈夫なのか。

と、楽しみよりは心配の方が大きかったように思います。

 

初日の感想

一言で言えば「最高!」

映画の肉弾戦・猛獣・拷問シーンをカットして、部族の娘の救出と男の友情、淡い恋心に絞った演出となっていました。映画のワイヤーアクションの代わりに炎や水をダンスの演出で盛り上げ、RRRのエッセンスが凝縮されていたと思います。さらに、映像や光の演出をふんだんに取り入れて、大迫力の場面になっていたことに感嘆しました!

コンパクトなストーリー展開。虎と戦うビーム、1万人を相手にするラーマ、2人で肩車で突破するシーンなど、戦闘シーンはほぼカットされ、ミュージカルとして間延びしない構成になっています。ビーム視点なので、最後のラーマに関連した部分が凝縮された感じです。そして、映像が非常に効果的!子供を救う火のシーンも迫力があり、ビームが旗を手にしてからは青の照明が増えて形勢逆転の様子が描かれています。場面転換にも使われていて、一気に外から部屋に変わっていますし、最後のクライマックスのラーマの矢も雨のよう。RRRは後方や二階で観てこそ、その良さが分かります!

ビーム視点の構成なので、マッリ連れ去りの場面や、歌で民衆を動かす「コムラムビームビームよ」のシーンは丁寧に描かれています。ムチで打たれてビクッとしながらもブレない礼さんの歌…その歌によって立ち上がる民衆のうねり…。この場面、最高です!そして、ラーマに助けてもらった後にその大義を知り、ビームの苦しさが伝わってきてウルウル…。そして森に行ってからのカッコよさったら♡ 

ラーマを演じた暁さん。ビームの恋の後押しをする時に「がんばれよ」と手を上げるのですが、自然とにじみ出る「モテル男の余裕感」が感じられますし、最後に本来の自分に戻って弓を射る場面は、神々しいほどに格好いい!ヘビの毒に苦しみながら、ビームの告白を聞くところのお芝居も素晴らしいです。

舞空さんジェニーが自転車で登場した時は笑いが起きましたね!この時のビームのもじもじが可愛いです。原作の映画では車に乗っていて、ラーマがタイヤをパンクさせて話すきっかけを作るのですけれど、星組Versionでは、あらかじめ自転車が修理できると観客に知らせた上で、この場面になっています。再現率も高く、美しく聡明なジェニーですね。

*トゲのムチで血溜まりを望むキャサリンはカット。貫禄はそのままに、小桜さんがパーティで歌を披露しています。超美声なのに、「うるさ〜い」という素振りをするさりおさん…(笑)

ジェイクの極美さんが、「いいヤツ」として出番が増え、何故か最後はお笑い担当に…( ´艸`)

ナートゥは、"歌いながら"、"ヒール"で踊っています。でも、各個人の負担を減らし、組子全体で作り上げている構成になっていました。ありちゃんの「ご存知か」でキター!という雰囲気となり、客席も手拍子で盛り上がって、劇場が一体となったように感じました♬ 途中、ビームとラーマが後ろに下がり、ペッダイヤとジャングが前面でナートゥを踊っているのですが、その間はビームとラーマが女性陣にダンスの指南をしていますので、お見逃しなく。だからその後、女性陣が一斉にナートゥを踊れるんですね。先頭のなこちゃんの、体幹が感じられるキレキレナートゥが絶品です!

 

最後に

この公演を観て、大義の為には同胞の犠牲も厭わないラーマが武器のない革命に気付き、身近な者しか見えていなかったビームが大義に目覚めた。そんな2人の友情と成長の物語なのだと、私もようやく気付けたように思います。細かい見どころポイントはまだまだありますが、今日は星組ファン目線での初日報告としたいと思います。

追記

こちらのサイトは、疑問と答えが完結で、なるほど!と思うことが満載でした😉 長いblogですが、観劇後におすすめの読み物として紹介しておきます。

ショーの感想はこちらです。
【星組】VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)

 

2023年8月28日 (月)

【星組】1789 東京千秋楽の感想

1789の千秋楽が無事終演しました。私は2階席から自分の思いを込めて拍手を送り、星組パッションに参加してまいりました(泣)もう何というか…。6月からの感情の起伏が激し過ぎて、ホッとした…良かった…という気持ちが一番かもしれません。

ここまでの道のりは…。

初日前
体調不良者が多く出ていることを公式に発表。それでも初日が開いたことに安堵。⇒初日の感想

翌日から休演
結局、初日の翌日から2週間半の休演となってしまいました。私は、新生児の孫の世話をしつつ時々大劇場へ通う予定だったのですが、その長期休暇中に行く予定だった公演が全て中止…。

大劇場再開
大劇場千秋楽は、素晴らしいクオリティで感動⇒千秋楽の感想

東京代役公演
東京公演は、声がかすれる出演者も多くなっていた中、最終的には主演の礼さんが休演に追い込まれる事態に…。たまたま、代役公演初日のチケットを持っていたので、礼真琴ファンの心を封印して、冷静なレポをしようと心がけました⇒代役公演レポート。

東京千秋楽
前日に「全てのピースがピッタリはまった最高レベルの公演! 」とツイートしたのが何だったのか…と思うほど、全員が数段ギアを上げた、素晴らしい千秋楽でした!


では、ここからは気づいたことを箇条書きで…。

★有沙さんアントワネット。BDとは全く違う歌唱で、素晴らしい集大成。この千秋楽の収録が放送される時を待ちたいと思います。

★極美ロベスピエール。大劇場では高音に苦戦していたけれど、今日が今までで一番良かったように思えました。球戯場の場面、圧巻でしたね。

★天華ダントン。パレロワイヤルの歌が大好きなのですが、「モテないこの俺に」という歌詞にいつも違和感が…。天華ダントン、モテないなんてある?(笑)

★小桜さんソレーヌは、通常のセリフがしゃがれて聞こえづらいくらいになっていますが、歌は大丈夫なんですよね。ロナンとはまた違った、女性の側から見た憤りや悔しさが伝わる歌で、観客の心を打ちます。そして今日思ったのが、兄妹感が増したかも!?ということ。納得の役作りですね☺

★武器を取れ。この1789の楽曲の中で、私が一番好きな曲。暁デムーランが朗々と歌い上げていますが、代役後、低音の響きが豊かになっていることに感動しました。

★瀬央アルトワ伯。薄笑い、操り感、オランプを誘う手管、どれも細かいところまで見応えあって、”兄夫婦を追い落として自分が…”という目標を、冷静に・着実に進めているのがよく分かるアルトワと思います。最後のロナンとの絡みは、観ていて「ああ…最後…」という気持ちになってしまった…。最後の歌唱指導も、拍手が鳴り止みませんでしたね…。

★舞空オランプ。「この愛の先に」の礼さんとの2重唱は”はもり”が素晴らしいですよね。見た目の可愛らしさが圧勝であることはもちろんなのですが、体幹があるからこそのコミカルな演技や、感情の込められたソロ歌など、本当に素敵な娘役トップさんと思います。

★琴ロナン。やはり、この人がいるからこその、充実したコーラスなんだな…と思いました。豊かなメロディパートの表現力。正確な音程でハモるからこその素晴らしいデュエット。そして琴さんが先頭にいるからまとまる、見応えあるダンス。礼真琴率いる今の星組は、充実度MAXです!

★ そして千秋楽は、瀬央さんの星組最後の日。組長さんの言葉に詰まった挨拶で泣きモードに入っていたのに、琴さんの「17年も一緒にいると家族以上、家族以上は何かと考えたら、もうそれは自分!」という名言に泣き笑い…。温かい空間でした。

★ そして8月27日は、舞空瞳さんと休演中の珀亜れいも誕生日です!という紹介。なこちゃんがドギマギするのも可愛かったし、その影響で大羽根が暁さんをツンツンしてしまい、ありちゃんを救い出すように引き寄せるぴーすけさんも、素敵でした。

★ そして終演後、礼真琴さんの各方面に対する配慮が詰まったご挨拶、ご自分の言葉で語った休演と復帰の心境、そして公演のセリフにかけて、デマの払拭(ポリープ疑惑の否定)まで成し遂げた最後の挨拶!本当に心を動かされました。

★ 終演後にオケボックスの中で、ガッツポーズや拍手が起こっているのが見えたんですよね…。東京での代役稽古など、イレギュラーなことも多かったであろう今回の舞台。あらためて、お疲れ様でしたと思いました。


これだけの人数がここまで集中した公演を、この先観ることは難しいだろう…!と思う程、 最高の舞台でした。心から感動しました♡

次回星組はRRR。戦いと拷問の割合が高い映画…という印象なのですが、どう宝塚にフィットさせるのか。お正月公演を楽しみにしたいと思います。

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