【星組】阿修羅城の瞳・エスペラント! 大劇場初日
星組公演、阿修羅城の瞳の初日を観てまいりました。私は映像で一度だけこの演目を見ていますが、既に記憶の彼方…という状態で初日を迎えました。そのため、終演後にプログラムを読んで、これから見る方は知っておいた方がよいかも…と思うことが何点かあったので、少しまとめてみたいと思います。これからの観劇の参考にしていただければ幸いです。
《作品構成》
お芝居
宝塚としては異色で挑戦的な「新感線」の舞台を、見事に星組メンバーで再現!でも逆に、次期娘役トップが3枚目役、スミレコードすれすれのセリフ、娘役さんが顔も分からないくらいの鬼役、男役スターさんの多くが主演も含めて刀で切られる役、展開は早い(原作を半分の時間にしているため)…ということで、付いていくのに少し覚悟がいる作品。
ショー
逆にショーは王道の展開。ロマンチックレヴューを彷彿とさせるプロローグから始まり、美しいパステルグラデーションのシーン、カーキ色の摩天楼、極彩色の熱いレビュー、青い海と青い星…と、様々なシーンを楽しむことができます。そして後半1/3は、礼真琴さんの退団仕様。
感想
礼ファンとしては、琴さんの色々な姿をもっと見たい!と思いましたけれど、全体的にとてもバランスの取れた構成ではないか…と思いました。
《原作者》
*原作/台本 中島かずき氏、原作/演出 いのうえひでのり氏
*台本を書いたのは40年前。いのうえ氏から「恋をすると女が鬼になる話を」と依頼があり作られた作品。
*この作品は新感線の中でも”家宝”というべき演目で、商業演劇としてターニングポイントになった演目。
*いのうえ氏は「宝塚でやるとしたらこれしかない」と考えており、中島氏も、今回の企画の提案には前のめりでOKを出したとのこと。
*初日をご観劇された後のインタビュー。「非常に満足。宝塚として甦ったことに感動した。”この世でないものを上演する力”や”訓練された所作”が素晴らしく、芝居愛に溢れていた。ぜひ新感線のファンの方に観てもらいたい。」
感想
私はプログラムを読んで、「宝塚側からオファーを出した企画だ」と分かったことは大きかったです。そうか…納得…と思いました。そして、インタビューを見た時に「新感線ファンがこれを観たら、礼真琴さんにはまるのでは?」というお言葉は、礼さんのパフォーマンスに満足した証ではないかと感じて、素直に嬉しかったです♪
《時代背景・鬼》
*時は江戸。鬼と共存している世界で、鬼御門(おにみかど)が鬼を退治している。
*鬼御門の頭領が安倍晴明(あべのせいめい:ひろ香)で、副隊長が邪空(じゃくう:極美)
*鬼の頭が美惨(びざん:小桜)。鬼の魁(さきがけ)という名前ですが、かしらという意味だそうです。
感想
鬼は、覇気迫る演技で圧倒されます。鬼御門の面々の殺陣も素晴らしい!
《ヒロイン つばき : 暁》
*5年前からの記憶しかない女性、として出門(いずも・礼)の前に現れる。
*肩に、椿の形をした謎のあざがある。
感想
私は一度、映像でですが2003年版の阿修羅城の瞳を見たことがあります。その時の天海さんが主演の市川さんよりも背が高かったこともあり、暁さんのヒロイン役はイメージ通りでした!→ 『阿修羅城の瞳 2003』
全ツのグランカンタンテ初日は、暁さんが星組に異動されて初めての公演でした。そこで暁さんが女役として琴さんとデュエットを踊った時の、緊張で引きつった顔が忘れられません。でもそこから時が経ち、今回琴さんの横に立つ姿は、きりりとした色気があって美しい。そして最後の「闇の女王」感も見事でした。
《主演 病葉出門(わくらば いずも):礼》
*出門はもともと鬼御門で、「鬼殺しの出門」と称されていた。
*幕開き冒頭の事件がきっかけで鬼御門を去り、鶴屋南北(つるやなんぼく:美稀)の一座で5年過ごしていた。
感想
筋肉質のふくらはぎを、何度も拝めます…(笑)おみ足に目は釘付け♡。…というのはさておき、こんなにも早口でしゃべっているのにセリフが全部頭に入ってくる!すごい!と思っていたら、専門家(ナレーター)の方が「活舌が神」と表現していらっしゃいました。さすがですね。また、殺陣をつけた清家先生が礼さんを称賛しているそうです。宝塚の殺陣は今まで剣舞に近いものがあったと思いますが、今回はまさに殺し合いの「殺陣」(*_*;。本当にすごい…。
退団の最後の最後まで、一瞬たりとも気を抜けない演目だと思いますが、まずは無事始まったことに安堵いたしました。8月の卒業まで駆け抜けられますように。個々の場面について詳細が書けるようになったら、また別記事で感想を書こうと思います。
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